DOBERMAN INFINITYが『1st SONG』で改めて伝えたいこと 10年の歩みの中で見つめる“これから”

DOBERMAN INFINITY、10年周年のその先へ

 DOBERMAN INFINITYが6月26日、結成10周年シングル『1st SONG』をリリースした。新鮮さとノスタルジー、王道なヒップホップがブレンドした本作は節目に相応しい作品と言えよう。道中には日本武道館やアリーナツアーという輝かしいステージがあり、後半にはコロナ禍の逆境もあった。状況に関わらずクリエイティブな歩みを止めなかった。

 アニバーサリーイヤーに掲げるテーマは「感謝」となる。過去と未来を同時に見つめるDOBERMAN INFINITY。彼らに10年の歩みを詰め込んだ新作について語ってもらおう。(小池直也)

自分たちをお祝いするより感謝を伝えたい

KUBO-C

――いよいよ結成10周年ということで、今の心境はいかがですか?

GS:10年、早かったですね。でも「まだまだいけるぞ」という気持ちです。

KUBO-C:コロナ禍もありましたが、やれることを見つけて動けていましたし、内容の濃い時間を継続できていますよ。

SWAY:ますます音楽が好きになっています。過去の曲を聴くと照れくささもありますが、逆に刺激を受けることもあります。でも自分たち自身を塗り替えていくのが役目なのかなと。

P-CHO:一つひとつ積み重ねて日本武道館のステージに立ちましたし、クラブで歌い始めた頃にはアリーナツアーなんて考えもしませんでしたから。小さい夢や大きい夢、色々みんなで叶えてきた10年でしたね。

KAZUKI:確かに色々な景色を見させてもらいました。2020年以降はコロナ禍による制限もありましたが、2018年のホールツアー、2019年のアリーナツアーのような大きいステージに再び立ちたいです。

GS

――今回は「感謝」をテーマに様々な企画を準備されているそうですね。

SWAY:自然とそういうテーマになりました。当初は「10」がローマ数字だと「X」なので、“エックス”なものを色々と探していたんです。

P-CHO:ここまで来られたのはファンの皆さんがいてくれてこそ。自分たちに矢印を向けてお祝いするよりも、まずは「ありがとう」を伝えようと全員で一致しました。

――10周年記念シングル『1st  SONG』収録曲は、EP『milestone』と同じくBACHLOGICさんをプロデューサーに迎えています。この理由を教えてください。

GS:BACHLOGICの音楽性は、僕らが大好きなヒップホップに精通しているプロデューサーで信頼と尊敬もありますし、10周年の大事な曲も彼に任せたかったんですよ。

KUBO-C:こちらからの要望やリファレンスをもとにビートを送ってくれました。それがもうバッチリで。特に追加意見はなかったです。

「踊れピエロ」でP-CHOが歌うフック

P-CHO

――では各曲について教えてください。まずは「踊れピエロ」について。

KAZUKI:どの曲もイメージが浮かびやすかったですが、「踊れピエロ」はタイトル決めに時間がかかりましたね。

SWAY:一番難航した曲だと思います。

GS:僕らのタイトルは歌詞の言葉から取ることが多いので、当初は「社交辞令とDANCE」が有力な候補でした。ただ我々も含め、建前を優先させてしまう瞬間がある世の中で、仮面を被りながら楽しさを演じる「ピエロ」は、ポジティブなメッセージになると考えたんです。

――その世界観を踏襲するMVにはダンサー・Kano Nomotoさんが起用されていました。

SWAY:ざっくりと「誰もいないオフィスで社員さんが自由に暴れている」というイメージだったんです。だからジャンル的にコンテンポラリーが合うかなと。それを念頭に置いて、候補の中からお願いしたのがNomotoさんでした。僕らの世界観以上のものを引き出してくれたと思います。

SWAY

――フックをP-CHOさんが歌っているのも新鮮です。

P-CHO:みんなで歌ってみたり色々とトライして、ディスカッションした結果「CHOさんやな、これは」と(笑)。BACHLOGICからも「シンプルでいいんじゃない?」と言ってもらって、導き出された道でしたね。

SWAY:「ウソやろ?」って言ってましたけどね。

GS:トップラインを書いたのもCHOちゃんでしたから。提案してくれた人が歌ったら一番よかった感じ。

P-CHO:歌詞の世界観的にも、ひとりで歌った方が合っていたなと今は思います。

KAZUKI

――マイクリレーはSWAYさんから始まりますね。

SWAY:なぜかはわかりませんが、僕がイントロから入るのだけは決まっていたんです。昔から特攻隊みたいなところがあるんですよ(笑)。

P-CHO:あとはベストを探しながら、全員のヴァースを並べ替えて決めましたね。

KUBO-C:最後は僕ですね。KAZUKIが「締めはKUBOさんがいいんじゃないですか?」と言ってくれたのを覚えてます。

KAZUKI:僕はKUBOさんの前のつもりで書いてましたよ。

KUBO-C:マジか(笑)。自分が最後に相応しいとは考えていませんでしたが、全体を通して聴くと流れとしてはいいですよね。

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