「可愛いだけではダメ」ラフ×ラフ 夏目涼風・永松波留、佐久間Pやファンと共に目指す人を笑顔にするアイドル
テレビプロデューサーの佐久間宣行がプロデュースするアイドルグループ、ラフ×ラフ。これまで数多くのバラエティ番組を作り上げてきた佐久間が手がける彼女たちのYouTubeチャンネルには、デビュー2年目とは思えないほど本格的なバラエティ動画が数多く公開されている。一方、音楽活動も精力的で、6月16日に発売される『パッパッ』でシングルリリースは10枚目になる。音楽もバラエティも本気で取り組むラフ×ラフは、どのようなアイドルを目指しているのか。メンバーの夏目涼風、永松波留に話を聞いた。(編集部)
数々のオーディションを経験し、『佐久間Pアイドルプロデュースプロジェクト』参加へ
ーーラフ×ラフはもともと『青春高校3年C組』(テレビ東京系)のアイドル部として活動していたメンバーが番組の放送終了後、番組プロデューサーの佐久間宣行さんに相談したところから始まります。お二人は『青春高校3年C組』には出演しておらず、その後立ち上がった『佐久間Pアイドルプロデュースプロジェクト』に参加し、見事合格。その後ラフ×ラフのメンバーとして活動することになります。このオーディションに参加したのはなぜですか?
夏目涼風(以下、夏目):私はもともと『青春高校3年C組』を見ていて、私もいつか出る側になりたいなと思っていたんですけど、まだ年齢的にオーディションは受けられなくて、姉がオーディションを受けたんですけど、最終審査で落選してしまいました。でも、佐久間さんが姉に声をかけてくださって番組を観覧させていただいたりして、すごくいい方だと聞いていました。そんな時にアイドルプロジェクトがスタートするということで、「これは私が受けるしかない!」と感じて応募しました。
私はもともと欅坂46の平手友梨奈さんが好きで、その時はアイドルになろうなんて考えてもいなかったんですけど、『坂道合同新規メンバーオーディション』のセミナーに行ったことがあって。母が「メンバーに会えるかもしれない」と思って応募してくれて、そこで声をかけていただく形で参加したのが初めてのオーディションでした。そこで落選したときに悔しい気持ちを味わって、「私ってアイドルになりたかったんだ!」と気づいたというか。その後も何度かオーディションに応募していたんですけど、落選が続いて。でも、「途中の審査まで進めるということは実は私はアイドルに向いてるんじゃないか……?」と思って挑戦し続けたら、念願叶ってラフ×ラフのメンバーとして活動できることになりました。
永松波留(以下、永松):私の兄と姉が昔からずっとアイドルが好きで、兄が欅坂46のCDを買った時についてくる生写真を私に譲ってくれたりしたんです。それから私もライブに足を運ぶようになって、初めて見た日向坂46のライブはガラケーとチケットだけを握りしめて行きました(笑)。そこからだんだんアイドルになりたいなと思い始めて、高1の時に初めてオーディションを受けて、そこからは数えられないくらいのオーディションを受けました。一時期は応募しすぎて、もう新しくオーディションを受けられない状況にもなったりして(笑)。でも、そんな時に佐久間さんのオーディションを知って、親も佐久間さんが手掛けるものなら安心して送り出せると言ってくれて、受けることになりました。
ーーもともと佐久間さんの存在は知っていたんですね。そこから佐久間さんの印象は変わりましたか?
永松:バラエティ番組でのイメージが一番強いので、オーディションで初めて会った時は静かにじっくり一人ひとりを見ようとしていた姿が印象的でした。お会いする前までは面白いことが大好きなお笑いモンスターだと思っていたのですが、意外と人見知りですし、あんまり自分からはお話しされない方なんですよね。今でこそたくさんお話ししていますけど。
夏目:私は、想像より大きくてびっくりしました! 身体が大きいのはもちろんなんですけど、オーラがあるといいますか。佐久間さんの目を見ると、なんでも見透かされているような気がしていて。オーディション期間は結構短かったんですけど、その期間だけでも本当に私たちのことを分かってくださって、デビュー後もライブに足を運んでいただいて、一人ひとりに「最近どう? 悩みはない?」って聞いてくださったことがずっと心に残っています。だから本当にお父さんみたいな存在だし、一つひとつの言葉が全部刺さるんだと思います。
お笑いファンが多く見る環境だからこそバラエティで成長できる
ーー佐久間さんは名物プロデューサーとしてかなりの知名度ですし、佐久間さんをきっかけにグループを知ったという声も多いのではないでしょうか。
夏目:私たちのデビュー曲の「100億点」のMVは冒頭から佐久間さんがめちゃくちゃ出ている映像になっているんですけど、それが本当に面白くて(笑)。佐久間さんばっかり目に付くんですけど、MVをきっかけに私たちがどういうグループなのか気になったという方も多いと思います。
永松:「100億点」は、1作目からフリオチがすごいなと思いました(笑)。私たちが踊っているのに「佐久間宣行」の文字がドーンって。一瞬「えっ?」って思っちゃうんですけど、それでも私たちも思わず笑っちゃうMVになっています。コメント欄でも面白がってくれている人がたくさんいらしてよかったです。
ーー佐久間さんをきっかけに知った人の中にはもちろん、もともとアイドルが好きだという人もいると思うんですけど、お笑い・ラジオが好きな人も多いように感じます。だからこそ、アイドルだとしても求められる面白さがシビアな部分もありそうです。
夏目:シビア?
永松:「厳しい」っていうこと。
夏目:あぁ、たしかに! 面白さを求められてるなと思うことはあります。でもそういう意見をもらえるからこそ、「もっとこうしなきゃ」と工夫して色々な意見が浮かんでくる。それが面白さに繋がっているような気がします。
永松:「アイドルなんだから可愛ければなんでもいいよ」ではなくて、「可愛いけど、それだけじゃダメだよね」と言ってくださるファンの方がいるのも一つの味で。そういう風に求めてくださるということは、グループにとってプラスの要素になっていると思います。
ーーYouTube動画を見るとラフ×ラフはかなりバラエティに本気で取り組んでいますよね。
夏目:オーディション中から東京ホテイソンさんがMCとして参加してくださって、大喜利をしたりしていました。そんなこと、オーディション受ける時には言われてなかったのに(笑)。でも、せっかく佐久間さんが見てくださっているからどんどん成長しなきゃなって思います。ライブで大喜利をやることもあって、ファンの皆さんも基本はあたたかく笑ってくださるんですけど、面白くなかったら本当に「シーン……」ってなるんですよ。でも、そうやって厳しく見ていただけるからこそもっと高く上を目指せるんじゃないかなと思います。
永松:私たちがどういう人なのか最初の方は皆さんも知らないから、何を言っても面白かったと思うんです。でも、やればやるほど私たちのことを知っていただけるようになって、その上で笑わせるというのがすごく難しくなって悩むことも多かったです。今年に入ってからはYouTubeのバラエティ企画も本格的になってきて、色々なことに挑戦していく中で自分がどんどん吹っ切れるようになってきて、本当の意味で自分自身が楽しめるようになってきたと思います。
ーーこれまでにもたくさんの動画が公開されていますが、自分たちで見返すことはありますか?
永松:見返します。それで反省することも多いですね。カットされていたりすると、「もっと喋ったのになぁ」と思うことも(笑)。
東京ホテイソン・ラランド ニシダらとの交流
ーーラフ×ラフのYouTubeを語る上で、MCの東京ホテイソンの存在も欠かせないですよね。
夏目:この前、初めて芸人さんの単独公演に行ったんですけど、それが東京ホテイソンさんの公演で。芸人とはこういう人たちのことを言うんだって改めて感動しました。これまで公式お兄ちゃんとしていつもそばにいてくれたけど、本当にすごいおふたりがいてくださってるんだなと思いました。
永松:東京ホテイソンさんは休憩時間にもラフに話しかけてくださるし、私たちもお話ししやすいです。カメラが回っていないところで軽くイジっても完璧に返してくれて、本当にいいお兄ちゃんです。
夏目:でも、最近メンバーのなかでおふたりが推しを作っちゃったりして。だから贔屓してるんじゃないかって言いたいです(笑)。
ーー前作「クライアント」のMVにはラランドのニシダさんが出演したことでも話題になりました。
夏目:MVの撮影中、メンバーと椅子取りゲームをしていたところでニシダさんの撮影シーンが終わって。思い切って私が「一緒に椅子取りゲームしませんか?」と声かけたら一緒にやってくださって。カメラが回っていなくても、テレビで見るあのままのニシダさんでした。