RADWIMPS、世界各地を巡り日本に届ける愛 “ホーム”で繰り広げる観客との濃い交流
「後悔のないように思いっきり歌って届けるんで、受け取ってくれよ! 抱きしめてくれよ!」という野田の呼びかけを経て、その後も次々と初期曲&レア曲が披露されていく。この日、フロアから特に大きな驚きと歓びの声が巻き起こったのは、「最大公約数」だ。野田がマイクを託すたびにめいっぱいの歌声でその想いに応えていく観客。その光景から、この曲がいかに多くの人に愛されているのかが手に取るように伝わってきた。「全部届いてます。ありがとう」という野田の感謝の言葉の後、本編最後に披露された曲は、“言葉”をテーマにした「針と棘」だ。今の世界には、愛の言葉より攻撃的な言葉のほうが多く蔓延しており、誰かを傷つける人は、悲しいことに傷つけていることに無自覚であったりする。そうした世界を憂いながら、野田は、〈言葉の針を 抜いてください/心の棘を 剥いてください〉と深く祈るように歌う。その清廉な歌声は、この世界に満ちる不条理に対する切実な抵抗のように響いていて、強く心を震わせられた。
アンコールでは、kZmが登場し、野田洋次郎名義の最新曲「EVERGREEN feat.kZm」が披露される嬉しいサプライズが届けられた。いつまでも潰えることのない胸の内の蒼い衝動を、ラップと歌を通して高らかに響かせていく野田とkZm。この日、野田洋次郎名義のアルバムがリリースされることが発表されたが、今後のソロ活動への期待がさらに高まるような素晴らしいパフォーマンスだった。そして、この日久々にライブで披露されたレア曲の中でも屈指のレア度を誇るであろう「グーの音」を経て、最後のMCへ。武田は「みんなからもらったパワーを世界にぶつけてきます!」、桑原は「一回り大きくなって帰ってくるんで、またライブで会いましょう!」と語り、最後に野田が「また会おうぜよ!」「泣くことよりも笑うことのほうが多い、そんなお互いの人生でありましょう」と告げた。「なんでもないや」で感動の大団円を迎えたかと思いきや、「終われる感じじゃないか」「明日からのお前らの人生に向けて、もういっちょやっていいですか!」と叫び、真のラストナンバー「君と羊と青」へ。この日最大のコール&レスポンスと大合唱。お互いの魂をぶつけ合うような、残されたエネルギーの全てを交歓し合うような、あまりにも熱烈で濃密なライブコミュニケーション、圧巻だ。野田は最後に、「次会う時まで幸せでいろよ!」と叫び、ステージを去っていった。
この日、今回のツアーの追加公演として、6月に石川県金沢市でライブを行うことが発表された。野田のXの投稿によれば、彼らは元日の能登半島地震以降、自分たちにできることは何かをずっと模索し続けていたといい、その結果として金沢での追加公演を開催するに至った。アジア各国をまわり日本に帰ってきたRADWIMPSは、きっと今まで以上にパワーアップした姿を見せつけてくれるはず。ツアーの成功を祈りつつ、彼らの凱旋を期待して待ちたい。
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