MAZZEL、SKY-HIに対する圧倒的な信頼 同志であり兄弟のようなあたたかい絆

 例えば、TAKUTOは過去にメディアのインタビューで、尊敬する人物としてSKY-HIの名前を挙げていた(※1)。彼ににとってSKY-HIは、思考や立ち居振る舞い、周りに影響を与えるパワーの部分まで、すべてにおいて学びがあり、理想の存在なのだという。そのように慕うきっかけとなったのは、やはりオーディションの過程でSKY-HIがTAKUTOにかけた言葉が大きいように感じる。SKY-HIは、オーディション参加前からダンサーとしてキャリアを積んできていたTAKUTOに対し、「ボーイズグループのメンバーとして世の中に出ることをどれくらい望んでいるのか」と根本的な姿勢や想いの部分を問いかけた。TAKUTOはその問いを受けて「プライドを捨てて死ぬ気で挑まないといけないなと思った」と、先述したドキュメンタリー動画の中で後日談として語っており、彼にとってオーディション時のSKY-HIの言葉が、非常に大きなターニングポイントになったことが分かる。自分に転機とチャンスを与えてくれた存在だからこそ、絶大な信頼を寄せ、「もっとSKY-HIさんに褒めてもらいたい」とTAKUTO自身が成長に対してさらに意欲的になる原動力にもなっているようである(※2)。

 SEITOやRANらも、SKY-HIへの尊敬や感謝の気持ちを度々口にしている。芸能経験のあるSEITOは、ドキュメンタリーにおいて、20歳前後で自身のやりたい活動ができず絶望していたときにSKY-HIと出会い、「唯一の救いだった」「自分がアーティストやりたいっていう気持ちとか、自分のことを認めてくれる人と出会えたので、やっとここにきて明るいほうに変わってきた」と語った。また、2023年6月に出演したラジオ番組『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM)でも「(SKY-HIについて)尊敬している部分もあるし、プライベートではとても対等に接してくれて、一緒にふざけたりもしています。あんなに親しみやすい社長はこの世にいない」と話しており、SEITOにとってもSKY-HIの存在感がいかに大きなものであるかうかがい知ることができる。

 RANも同番組の中で、SKY-HIについて「とても気さくな人で」「悩んでいることに対して(最適な)アドバイスをいただけて、いつも胸に響きます」と感謝の気持ちをコメント。さらにメディアでのRAN単独インタビューの中では、BE:FIRST結成のきっかけとなったオーディション『THE FIRST』でデビューに至らなかったことについて、あのタイミングでデビューせずに人生の岐路についてじっくりと考える時間をもらえたからこそ、MAZZELで良い流れをつくれていると大きな感謝の気持ちを述べていた(※3)。

 このように、SKY-HIへのリスペクトを各所で語っているMAZZELのメンバーたち。彼らとSKY-HIの間には、所属事務所の社長と所属アーティストという枠組みを超え、同じ世界を目指して戦う同志のような、それでいて仲の良い兄弟のような、あたたかくて深い絆があるように思う。そうした関係性があってこそ、各メンバーがこれまで培ってきたスキルやそれぞれ方向性の異なる豊かな個性を最大限に発揮して楽曲制作、パフォーマンスに挑むことができるのだろう。カラフルだが1つのまとまりが感じられる唯一無二のグループとして音楽シーンの中で独自の存在感を放っているのは、MAZZELとSKY-HIの圧倒的な信頼関係があってこそと言えるのではないだろうか。

※1:https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-interview/a43833906/mazzel-230522-hb/
※2:https://qjweb.jp/feature/108980/
※3:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/40631/3/1/1

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