EXILE HIROが近畿大学卒業式で贈った言葉 人生の主役として夢を持つことの尊さと情熱

EXILE HIRO、近大卒業式で贈った言葉

 そして、中尾のエピソードに触れたことで、人生は有限であることが改めて輪郭を持って感じられ、卒業生たちも「精一杯生きることの尊さ」と「夢が与えてくれる力」について語ったHIROの言葉を真剣に受け止めることができていたように思う。夢を叶える道の途中にありながら、22歳という若さでこの世を去らなければならなかった中尾。彼の思いや努力、闘病していた頃のFANTASTICSのメンバーの心境、HIROが当時抱えていたであろう親心のような思いを想像すると、スピーチを聞く中で自然と目頭が熱くなってしまったし、「この一瞬一瞬を無為にせず、大切に過ごしていかなければ」と気が引き締まる思いがした。中尾の話をした後にHIROが語った「どこかの誰かに夢を持つことをバカにされようと、見つけることを諦めないでほしい」「人生という物語が続く限り、自分が主役という信念で、精一杯生きてください」という言葉は、中尾の生き様を知ったからこそ、卒業生の心に大きく響いたのではないかと思う。

 そうしたスピーチを経て行われたFANTASTICSのパフォーマンス。彼らはZOOからEXILEへと受け継がれてきたバトンを新たに受け取り、多くの人に愛されている「Choo Choo TRAIN」を華やかに披露した。

 FANTASTICSは、そのキャリアを語る上で「夢」が欠かせないキーワードとなっているグループである。2017年1月の結成発表では、EXILEのパフォーマーである世界と佐藤大樹に加え、LDH傘下のダンススクール・EXPGでデビューを夢見て練習を重ねていた5名が選出された。そしてボーカルメンバーの追加を経て行われた2度目の武者修行では、武者を「夢者」と表現し、『夢者修行 FANTASTIC9』を2カ月ほど経験。2018年12月にシングル『OVER DRIVE』で、念願のメジャーデビューを掴み取った。

 デビュー後も常に新たな表現に挑戦し続け、特に2022年5月からは、FANTASTICSとファンが一緒になり大きな夢に向かって旅するプロジェクト「FAN FAN PROJECT」を始動。第1弾として「Summer Bike」、第2弾として「Choo Choo TRAIN」、第3弾として「PANORAMA JET」をリリースし、コンサートツアーも開催しながら、彼らの夢への思いと、音楽やダンスへの愛、ファンへの感謝の気持ちを届け続けた。

 そのような彼らが卒業生たちの前でパフォーマンスを披露したからこそ、HIROのスピーチの中身がよりリアルに浮かび上がって感じられたように思う。メンバーを代表して短い祝辞を述べた佐藤大樹の「皆さんが今持っている夢、これから見つけるかもしれない大きな夢に向かって精一杯頑張っていってほしい」「僕たちも微力ながら、応援させていただきたいと思います」という言葉も相まって、卒業生たちがこの先の未来を見据える上で勇気をもらえた式典になっていたのではないだろうか。エンタテインメントの力は、CDやデジタル音源、ライブの空間だけでなく、どのような場においても人の背中を押し、明日への一歩を力強く踏み出すきっかけをくれる。そんなことを感じた卒業式の一幕だったように思う。

■リリース情報
FANTASTICS × EPEX『Peppermint Yum』
3月20日(水)リリース
CD購入:https://rhythmzone.lnk.to/FXE_PY_EP

■関連URL
FANTASTICS from EXILE TRIBE
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