AA=が爆発させるパンデミックが明け解放された喜び オーディエンスが上田剛士に寄せる信頼
『story of Suite #19』でひときわシリアスだった「Chapter 8_WHY DO YOU KNOW MY NAME? ~全てを知っている君は何も知らない~」はAA=の揺るがぬ決意を感じさせる力強い響きが感じられるようになり、それを境にライブはキラーナンバーが次々と投下される怒濤の展開に。〈飛び出そうぜ 壊して行こうぜ/ヤツのシステムのSlaveになるな!/Jump for your right.〉とアジるラガ・ジャングル「posi-JUMPER」は、このバンドの根本姿勢を象徴する重要曲であり、ライブにおける絶対的なフロアバンガーである。このあたりで会場は触れるのもヤバい沸騰状態となり、そこから「全ての動物は平等である」と主張するAA=のテーマソング「ALL ANIMALS ARE EQUAL」、さらにアンコールで「LOSER」「FREEDOM」「PEACE!!!」とこのバンドらしいストレートなメッセージを持つパワーチューンが立て続けにプレイされ、ライブは終了した。
だがAA=の本領と思わせたのは演奏が終わったあとだった。歓声が止まない会場で上田剛士がひとりでステージに戻り、ステージを無事やり終えることができた安堵と観客への感謝と、そしてこれからの決意を飾らぬ言葉で述べる。少なくともAA=のようなラウドでハードなロックバンドで、演奏終了後にこんなMCをおこなう連中はほかにない。音楽の、ライブの余韻を残して終わりたいからだ。しかしこの生真面目さ、誠実さ、丁寧さ、優しさこそが上田剛士でありAA=である。言葉の有効性を信じる知性もある。少なくとも観客はAA=のサウンドのみに惹かれているのではなく、そんな上田への人間的信頼が根本にあるのだ。その繋がりこそがAA=の強みなのだと思えた。
次のツアーは6月〜7月に決まった。『AA= FIGHT & PRIDE TOUR』と題されている。誇りを胸に上田らは何と闘うのか。ニューアルバムへの期待も高まる中、その全貌はもうすぐ明らかになるはずだ。
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