King Gnu、ずとまよらJ-POPの中華圏公演完売続く 現地プロモーターに聞く市場の変化
これは現地ファンの飢餓感を察した海外プロモーターからのリクエストが日本のマネジメントに殺到していること、ダッシュボードで海外ファンの存在が可視化されたこと、そして日本のマネジメントやアーティストがYOASOBIらのグローバルチャートや海外ソールドアウト公演に背中を押されていることが背景にあると考えられる。加えて、K-POPの世界展開への対抗意識も少なからずあるかもしれない。そしてコロナ禍以降の変化、特に日本側のそれとして感じたのは、公演中の撮影に寛容になった点である。私がこれまで関わってきた日本のアーティストは、国内はおろか海外公演でも撮影に対して非常にナーバスであった。肖像権や原盤権を守る立場のレーベルやマネジメントからすれば当たり前のことであるが、SNS拡散によるマーケティングの一環として、スマホ撮影をOKとする海外アーティストが多いのが現状である。日本でも数年前から藤井フミヤ、浜崎あゆみ、SEKAI NO OWARIなど少数ではあるが、条件を設けながら公演中の撮影を許可するアーティストも現れている。YOASOBIは録音・録画は禁止と謳いつつ、スマホでの静止画撮影をOKとしている。
この件については、賛否両論あると思うので突っ込んだ議論はしないが、日本側に意識の変化が表れていることは紛れもない事実である。ちなみに、家入レオの深圳公演は「アンコール1曲のみ撮影OK」としていた。
最後に海日の紹介を簡単にしておく。庄磊氏が“日中をつなぐエンターテインメント全般を隅々までトータルプロデュース”をモットーに2007年に設立。会社の特徴として、主に日本のアーティストの中華圏興行に特化していること、ジャンルや規模にかかわらず日本のアーティストの公演を主催していること、そして主催の可否は庄氏がそのアーティストを好むか好まざるかに依っているということである。家入レオの深圳公演後半で、照明卓横でファンに負けず大声で声援を送る庄氏を見て、この人は本気で彼女に心酔しているのだと実感した。その心意気が公演の成功を生む原動力となっているのだろう。
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