2024年は新たな“シティポップ元年”に? 現役DJが2023年によくプレイしたベスト5を紹介

「真夜中のドア〜stay with me〜 feat.CENTRAL」なかの綾とブレーメン(『にまいめ』収録)

 近年、空前の世界的リバイバルヒットをかましている、松原みきの名曲「真夜中のドア〜stay with me」を、なかの綾とブレーメンがサルサバンドのCENTRALをフィーチャーして、ニクいサルサアレンジでカバー。なかの綾の伸びのあるソウルフルなボーカルも素晴らしいが、「こう来たか!」と思える、幸福感溢れる能天気なノリが楽しい。先日、歌舞伎町にある新宿カブキhallでDJプレイしたときに、海外からの旅行客たちが総立ちで踊った、まさに伝説(!?)となった1曲である。

真夜中のドア~stay with me~ (feat. CENTRAL) (Cover)

「いつも通り」シュガー・ベイブ(『SONGS』収録)

 山下達郎を中心に1973年に結成されたバンド、シュガー・ベイブ。彼らが1975年に大瀧詠一が設立したナイアガラ・レーベルからリリースした、1stアルバム『SONGS』から「いつも通り」を。作詞、作曲、ボーカルは、ター坊こと大貫妙子。ミドルテンポの小気味いいサザンソウル感あるサウンド全開で、ストリングスの感じが“PACIFIC”的かつ、南の島を思わせる“ナイアガラ”感があり、ター坊のボーカルととてもマッチしている。気持ち的に何かが足りないけど〈街は いつも通り〉という、街のにぎやかさと、自分の心のさびしさのギャップを歌った歌詞。

 ちなみにこのアルバム、現在はシティポップの大名盤としてお馴染みだが、当時はまったく売れず、80年代に入って山下達郎の「RIDE ON TIME」のブレイクでやっと注目されたという感じなのだ。コロナウイルスの影響もやっと落ち着き、街がいつも通りに戻りはじめたということで、2023年はよくDJプレイで使用していた曲である。

 そんな感じで、カネコ的シティポップベスト5。いかがだっただろうか。ぜひサブスクやCDなどでチェックしてみてほしい。

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