日向坂46×オードリー、フラットな関係性 “一緒に成長する番組作り”で培われたメンバーの実力

 1月31日に放送された『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に、“おしゃべり大好きメンバー”として日向坂46の佐々木美玲、松田好花、森本茉莉、山下葉留花の4人が出演した。これまでも同番組に日向坂46メンバーはゲストとしてたびたび登場してきたが、四期生の登場は今回が初めて。オードリーとは『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系/以下、ひなあい)でも共演しているだけあって、絶妙なトークが繰り広げられた。

 今では6年という長い付き合いを経て、乃木坂46におけるバナナマン的な立ち位置を確立したオードリー。そもそも日向坂46とオードリー、この二組の共演は2018年4月から放送された『ひなあい』の前身番組『ひらがな推し』(テレビ東京系)まで遡る。本来であれば、MCがアイドルを一人前に育て上げるという側面が強かったアイドルバラエティであるが、オードリーは同じ目線に立って「アイドルと一緒に成長していく」番組を作り上げてきた。その結果、あえて“贔屓メンバー”を作るオードリーの若林正恭に対して佐々木久美や富田鈴花らが積極的に食いつくという双方向の掛け合いが生まれるなど、“バラエティに強い日向坂46”として知られることとなった。

 そんな日向坂46とオードリーの関係性がグッと縮まった出来事として思い出されるのは、数々の名場面を生み出した宮崎ロケだろう。中でも「とんかつ争奪!常識クイズ」で春日俊彰の贔屓メンバーでもある丹生明里が「チキン南蛮」と答えるべきところを「タルタルチキン!」と叫んだシーンは『ひなあい』屈指の名場面だ。また、食事会において佐々木久美、加藤史帆、松田、富田の4人の圧に押されて若林が初めて手をつないだ話を明かすなど、ロケを重ねることで徐々に二組の距離感は近づいていった。

 オードリーといえば、『じゃないとオードリー』(テレビ東京系)で休憩中も常にオンの姿でいる企画「オフゼロオードリー」が放送されるなど、オンとオフの切り替えが激しい芸人であることがファンの間で知られている。同番組では『ひなあい』の収録裏にも密着すると同時にオードリーの心境の変化も明かされていた。特に若林が密着後の車内で「みんな本番でエネルギー放出するから、(本番以外では)基本しゃべりたくないんじゃないかなと思ってたんだけど、企画とはいえ、スタッフさんとかメイクさんとか日向坂のメンバーに話しかけたら、番組が明るくなった。俺の負けだと思った」と潔く認めていたのが強く印象に残った。そのきっかけとなったのが日向坂46ということが、オードリーにとって彼女たちが大きな存在であることを感じさせる。

 普段は『ひなあい』で共演している二組だが、『あちこちオードリー』では日向坂46がゲストとしてたびたび出演してきた。2020年には加藤、佐々木美玲、富田、渡邉美穂、2021年には佐々木久美、潮紗理菜、松田、上村ひなのが出演し、2021年の放送回では松田が涙を3度流すというその後も語り継がれる名シーンが生まれた。『ひなあい』ではどうしても時間の都合上オードリーと日向坂46メンバーの一対一での絡みは少なくなってしまうが、『あちこちオードリー』では日向坂46の悩みにオードリーがまるで親のように接する微笑ましい光景が映し出されており、いつもとは違った関係性を見ることができる。

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