RIKU(平野莉玖)、ダンスを始めたきっかけは兄に AK-69の影響や活動のモットーも明かす
愛知県に拠点を置いて活動しているアーティスト・RIKU(平野莉玖)が、1stシングル『Doubt it』をリリースした。ボーカルだけでなく、ダンス、ラップのスキルを幼少期から磨いてきたRIKU。新たにアーティストとしてスタートを切る記念すべき同作には、彼のスキルとエンターテインメントが楽しめる楽曲が詰まっている。そんな同作をリリースした彼は、どんな人物なのだろうか。歌やダンスを始めたきっかけやアーティスト活動への想いなど、本人にたっぷり語ってもらった。(高橋梓)
“怖いもの知らず”の中学生時代 母親の背中を見て生まれた行動力
――まず、1stシングル『Doubt it』をリリースした今の率直な心境を教えてください。
RIKU:ようやくCDという形でファンの皆さんに作品をお届けできたので、安心しています。と同時に今後もっとたくさんの作品を作っていきたいとも思っています。ファンの方からはSNSでも反響をいただいていて。僕の魅力の一つでもある“声”をしっかり聴いていただいているようだったので、嬉しいですね。
――表題曲「Doubt it」の中ではきれいなファルセットボイスを披露されています。
RIKU:そうなんです。実は自分の声の強みがわからなくなっていたのですが、「Doubt it」でファルセットが僕の強みだということに気づきました。これまで作品を作る際も、ラップを全面に打ち出していくのか、メロディラインを増やしたほうがいいのかなど試行錯誤していたのですが、今作ではっきり自分の強みを知ることができました。
――RIKUさんは過去にラッパーとして活動されていたので、もっとHIPHOP色が強い楽曲なのかと思っていました。蓋を開けてみたらR&Bという。
RIKU:ひと昔前のR&Bのニュアンスがある楽曲ですよね。僕としても今までやったことがない曲調ですし、耳馴染みがある人も多いと思うのでたくさんの方に聴いていただきたいです。
――今作で幅広いスキルを見せているRIKUさんのルーツが気になります。ダンスと歌に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
RIKU:ダンスは兄が習っていて、僕も一緒にレッスンに行ったことがきっかけです。「僕もやってみたい!」と、習い出したのが始まりでした。歌は、AK-69さんのDVDを見たことがきっかけだったと思います。小学校5年生の時に、家でライブDVDを見つけて。観てみたらマイクを握ってステージに立っているAK-69さんの姿がすごく響いたんです。そこから「僕も歌で何かを表現したい」と思うようになって、チャレンジし始めました。
――ダンスはいつごろから通っていたのですか?
RIKU:5歳くらいだったかな。HIPHOPダンスを習っていました。AK-69さんのライブDVDが家にあったことも含めて考えると、家族全員がHIPHOPカルチャーが好きだったのかもしれません。僕が小さい頃家で流れていた音楽もHIPHOPやR&Bでしたし、当時はUsherさんやNE-YOさんを好んで聴いていました。少し大きくなると、クリス・ブラウンさんも聴き始めて。同世代の子と聴いている音楽が全く違ったので、話が合わないなんてこともありましたね(笑)。
――基本的に洋楽を聴いて育ってきた、と。
RIKU:はい。ジャスティン・ビーバーさんなど、歌って踊る洋楽アーティストをよく聴いていました。ただ、中学生くらいになると邦楽も聴くようになりました。特に、長渕剛さんばかり聴いていた時期もありましたね。
――そんな中、中学時代はラッパーとして活動されていました。学業との両立など、大変だったこともあったのでは?
RIKU:当時のことを振り返ると、驚くくらいイケイケで(笑)。怖いもの知らずの中学生だったので、大変だと思うことは全くなかったです。とにかく突っ走って、いろんなところに「ライブさせてください」と突撃して。その若さゆえの勢いが今欲しいくらいです(笑)。
――印象に残っていることはありますか?
RIKU:ラップを始めたのもAK-69さんの影響なんです。ライブだけじゃなくてMCもかっこよかったし、同じ地元の愛知県から羽ばたいているところにも憧れていました。そんなAK-69さん主催のマイクコンテストがあって、それに出場したことが一番印象的な出来事です。名古屋のダイアモンドホールというライブハウスのステージに立って、たくさんのお客さんの前でマイクを握ったことは今でも頭に焼きついています。準決勝まで勝ち進んだのですが、当時僕は1、2曲しか持ち曲がなくて。同じ曲を繰り返しパフォーマンスして戦っていたので、本当に勢いだけで進んでいたんだと思います。
――AK-69さんから何か言葉をいただいたりも?
RIKU:審査員の1人として参加されていて、コメントをいただきました。当時、僕はラップをやって間奏部分でダンスをするというスタイルだったんです。そういうことをやっている人が他にいなかったので、「新しいことにチャレンジするのは良いことだ」と褒めていただけました。
――そんな時期を経て、高校時代はアーティスト活動を休止されていました。休止しようと思った理由は何だったのでしょうか。
RIKU:保育園の年長さんからダンスを始めて、イベントやクラブで歌ったり踊ったりしていたのですが、同世代の友だちがいなかったんですよ。なので、1回普通の生活をしてみたいなって。高校では普通の学校生活を送ろうと思って1回音楽から離れることにしました。続けていればよかったかもと思うこともあるのですが、一歩引いて周りを見られるようになりましたし、音楽から離れていた期間もとても大切な時期でした。
――そして、高校卒業後はアパレルブランド「RKS RICKY」を立ち上げます。
RIKU:高校を卒業して3年は就職をして働いていたのですが、ふと「やりたいことはこれじゃない」と思ったんですよ。自分が好きなことはなんだろうと考えた時に、「洋服だ」と。それなら一から自分のブランドを作ってみようと思って始めたのがきっかけです。アパレルの専門学校に行っていたわけでも、ショップで働いていたわけでもないので、最初はとにかく行動あるのみ。洋服を作っている工場に行って、「服ってどうやってできているんですか?」と聞きに行ったり、業者さんを紹介してもらったり。帽子や洋服などカテゴリー別の工場に行って名刺を渡して、「何もわからないので教えてください」と突撃しに行ったこともありました。それが今ではだいぶ成り立ってきて、これまで500点くらい商品を出すことができました。
――凄まじい行動力ですね……!
RIKU:やりたいことはすぐに行動に移すタイプかもしれません。生まれ持った性格という部分もあるのですが、母親が行動力お化けなんですよ(笑)。中学生時代にライブをするにも子どもだったので1人じゃどうにもできなかったんですね。なので母親が一緒に「ライブさせてください」って突撃しに行ってくれて。ずっと2人で行動してきたので、母親の背中を見ていたことも大きいです。