Travis Japan、1stアルバム『Road to A』が首位 海外活動への意識とダンス巧者な魅力
特筆すべきは、豪快なファンクナンバーの6曲目「DRIVIN’ ME CRAZY」だ。金管楽器とリズム隊が絶妙に絡み合うマーク・ロンソン「Uptown Funk ft. Bruno Mars」直系のアレンジのこの曲は、思わず体を動かしたくなるような楽しさがある名曲だ。8曲目「Swing My Way」もいい。ホーンセクションを中心にバンド演奏全体がスウィングするビッグバンド調のジャジーなこの曲は、聴いているだけで心が躍る。渋いAOR路線の9曲目「Till The Dawn」も個人的にはかなり気に入った。ソウルフルなボーカルを裏で支えるリードギターや、品のあるベースプレイが心地いい。特に後半のギターソロは必聴だ。
こうした作品群を通して感じ取れるのは、彼らの海外活動に対する強い意識である。J-POP的な展開も多少はあるものの、基本は海外を意識したワールドワイドなサウンドに徹している。歌詞は英語が多く、海外リスナーも馴染みやすい作風が全編に渡って繰り広げられている。いま活況を見せている世界のボーイズグループシーンを、さらに盛り上げる存在に彼らはなりそうだ。
そして今作を締めるのは“まだ旅の途中”という意味の「Still on a journey」。落ち着いたテンポ感で繰り広げられる穏やかなダンスナンバーのこの曲には、一つひとつ着実に歩みを進めていこうという彼らの未来志向な意思を感じた。総じて明るくダンサブルで、ポップで多彩な楽曲が揃った本作。Travis Japanの持つダンス巧者な魅力がぎゅっと詰め込まれており、1stアルバムらしい勢いを感じる一枚である。
ただ惜しむらくは、7人のメンバーの個性がもっと見えるような作品であってほしかったということ。メンバーのキャラクターが作品を通してより鮮明になると、グループとしても認知度を高めることができ、さらに飛躍できるのではないか。こうした点は次回作に期待したいところだ。
※1:https://sp.universal-music.co.jp/travisjapan/roadtoa/