NEWS楽曲提供でも話題 カズミナナ、豊かな感情表現と五感を刺激するソングライティング
「街で流れるクリスマスソングとは異なる一面を描けた」
――今年3月にはNEWSへの楽曲提供もされていますよね(1st EP『音楽 -2nd Movement-』収録曲「白」の作曲)。他のアーティストの楽曲制作はいかがでしたか?
カズミ:初めてだったので、すごく難しかったですね。男性グループだったということもあり、「これで大丈夫なんだろうか……?」と思いながら制作しました。NEWSの皆さんのイメージに沿った音楽を作ろうっていう気持ちを大事にしていたので、自分らしさを削ることも考えてたんですけど、それだけではちょっとつまらない気がしたので、自分らしさも加えていきたくて。そのバランスは大変でしたね。
――その楽曲の反響も届いていますね。
カズミ:グループのファンの方々から「いい曲ですね」という反響をいただいて。ありがたかったです。
――楽曲提供したことで、さらにミュージシャンとしてのモチベーションも上昇したのでは?
カズミ:自分に自信を持てるようになりました。完成した当初は、どんな反響が届くか怖かった部分もありましたが、時間が経過するごとにこれからの活動に対するワクワク感が増していきましたね。
――そして、12月6日には新曲「Snowflakes」をリリースされました。こちらはクリスマスソングですすね。
カズミ:過去にもクリスマスソングを作ったことはあるのですが、この楽曲はよく街で流れているような楽しいものとはちょっと異なる一面を描けたと思います。私は、家族や恋人と一緒に過ごせない、ちょっと孤独な雰囲気のクリスマスソングや音楽が好きで。自分も作るならハッピーなクリスマスというよりは、ちょっとセンシティブなものを作りたいと思っていました。
――クリスマスムービーから受けたインスピレーションもあるのでは?
カズミ:はい。今回の曲は完全にオリジナルなんですけど、『ホリデイ』(2007年日本公開)というクリスマスや新年に近いシーズンを舞台にした作品は、孤独や悲しさが描かれてる物語なので、そういう映画をクリスマスに観るのが好きですね。
――この楽曲は英語のフレーズからスタートしますよね。ここにはこだわりだったりがあったのでしょうか?
カズミ:英語を活かせる音楽スタイルというか、英語と日本語が混ざる曲は歌っていても心地いいですし、リスナーの方々もいろんな子音と母音を耳にできるので楽しんでいただけるのかなって思っていまして。また、英語だとストレートに思いが伝わるので、感情をそのまま伝えたいフレーズに関しては、英語のまま活用するようにしました。日本語だとどうしても伝えきれない表現があるので、そこは英語でカバーできたら。
――そうすると、日本語と英語のボーカルスタイルは異なる部分があるのでは?
カズミ:英語はやっぱり発音が大事なので、和製にならないようにしっかりと綺麗な発音を意識して歌っていますね。あとは声を発している時に生まれる音の波とか、細かい震えみたいなものを大切にしながら、慎重に丁寧に歌いました。
――この楽曲では、アレンジャーの方を迎えて制作されていますね。これまではご自身で編曲もされていたと思うのですが、いかがでしたか?
カズミ:最初アレンジを聴かせてもらった瞬間、今まで自分で作ってきたものとは異なる、聴きなじみのない音がたくさん散りばめられていたので、とても新鮮に感じました。でも、そのなかにも私がこの楽曲で伝えたかったことを織り交ぜながら、サウンドだけで楽曲の持っている孤独感みたいなものを伝えてくれる仕上がりにもなっていて。斬新さと、私の思いがとてもいい感じに混ざり合っていると思います。
――終盤に響くベルの音やドリーミーな雰囲気を与えるコーラスが、クリスマスの切なくて甘い余韻を味わせてくれる仕上がりですね。
カズミ:そうですね。自分ひとりでは考えられなかった新しい音とかメロディとかリズムを耳にして、すごく勉強になりました。自分の作った歌だけど、今までにないドレスを着用して歌っているみたいな。しかも、とても素敵なドレスだったので、ワクワクしました。
――きっと、リスナーにもクリスマスに新しい景色を与える楽曲になると思います。
カズミ:クリスマスって楽しさを満喫している人がいる反面、ひとりの寂しさや、寒さを噛み締めている人もいらっしゃるのではないかと思っていて。そういう人の心に寄り添える楽曲になってくれたらいいですし、少しでもクリスマスを暖かく優しい気持ちで過ごしていただけるきっかけを与えられたら嬉しいですね。
“カズミナナ”という名前に込められた芸術への想い
――カズミさんにとって2023年はどんな1年でしたか?
カズミ:変化の年でした。人生の分岐点になったような。さまざまな道が目の前にあって、自分はいい道を選べた1年だったように思います。出会いがたくさんあって、とても恵まれた時間でした。
――2024年の活動へのビジョンはありますか?
カズミ:2024年はもっと多くの人に、カズミナナの音楽を届けていきたいなって思います。私という存在と、そこから生まれる音楽を皆さんに知っていただける機会を作ることができたら。何曲か新しい曲の制作も進行中ですし、書き留めているアイデアもたくさんあるので。
――楽しみですね。将来的にカズミさんはどんなミュージシャンになりたいですか?
カズミ:私は自分の音楽をアートとして捉えていて。楽曲を通して、自分の気持ちを伝えたり、誰かに寄り添うことを大事にしつつ、音楽を耳にした瞬間に、美術館で作品を鑑賞したりとか、映画を観ているような感覚をリスナーの方々に感じていただきたいです。耳だけでなく、五感全てを駆使して、私が生み出したものを体感してほしいですし、そういうものを私も発信することができたらと思います。
――「カズミナナ」の「カズミ」はご祖母様のお名前から取られたそうですが、さまざまなカルチャーに興味を持つようになったきっかけとしても彼女の存在が大きいのでしょうか?
カズミ:その通りです。祖母がいなかったら、音楽をやっていないかもしれないくらい影響を受けました。彼女は芸術家で、絵画も描くこともあったりして、とてもセンスに優れていました。その姿をそばで見ていて、とても尊敬していたので。祖母の存在があったからこその自分を多くの人に知っていただきたいという思いを込めて、この名前で活動しています。
――祖母様も現在のご活躍を喜んでいらっしゃるのでしょうね。
カズミ:実は私が小学生の頃に亡くなってしまったのですが、きっとそうであることを祈っています。
――今後はライブ活動やSNSなどで多くのリスナーの方々と交流する機会が増えていくと思います。今後はどんな関係を築いていきたいですか?
カズミ:今はリスナーやファンの皆さんと、とてもいい距離感でいられているなと思っていて。私という存在より、まずは私が生み出した作品を愛していただけたら。ステージに上がっている時も、パフォーマンスしている私の姿だけでなく、ライブ空間すべてを含めて楽しんでいただけたら嬉しいです。
■リリース情報
カズミナナ
Digital Single「Snowflakes」
12月6日(水)配信リリース
ダウンロード/ストリーミング:https://linkco.re/0m460Nab?lang=ja