THE LAST ROCKSTARS、大きな困難の中で得たパワー PATAと共演果たした日本公演ファイナルを振り返る

THE LAST ROCKSTARS日本公演ファイナルレポ

 11月23日、THE LAST ROCKSTARSが『THE LAST ROCKSTARS The 2nd Tour 2023 “PSYCHO LOVE”』の日本公演ファイナルを有明アリーナで開催した。

YOSHIKI
YOSHIKI

 本ツアーでは、この日本公演を終えた後の11月末にロサンゼルスでの公演も予定していたが、急遽来年8月に延期が決定。延期理由について、当初公式サイトに掲載された文章では“不測の事態”としていたが、後にメンバーであるHYDE(Vo)が自身の生配信番組(HYDE CHANNEL)で、「YOSHIKIが10月に倒れ、ドクターストップがかかっている。首の状態が良くない」と詳細を明かしていた。

 11月上旬には、HEATH(X JAPAN)の突然の訃報もあり、バンドリーダーのYOSHIKIはまさに満身創痍の状態で本公演を迎えることとなった。果たして無事に開催されるのか。YOSHIKIはどんな状態でステージに立つのか。多くのファンが複雑な思いを抱えながらアリーナに集結したことだろう。

 開演直前、色とりどりに光るペンライトの海の中、メンバーの名前を叫ぶ声があちこちから飛び交う。大量のスモークが埋め尽くしたステージにメンバーが一人ずつ姿を現すと、すさまじい歓声が鳴り響く。MIYAVI(Gt)とSUGIZO(Gt/Vn)の奏でる爽快なギターの音から、本ツアーのタイトルでもある「PSYCHO LOVE」でライブは開幕。MIYAVIはステージ中を軽やかに駆け回り、HYDEと拳を突き合せたり額を合わせたりと、初っ端からハイテンションな姿を見せる。SUGIZOは客席を見回しながら煌びやかなサウンドを奏で、YOSHIKIはダイナミックにドラムを叩きながら笑顔を見せていた。

 続く「6or9」では、ヘヴィなサウンドに合わせてステージ前方から炎が噴き出す。客席ではライブハウスさながらの盛り上がりっぷりを見せる観客。SUGIZOがYOSHIKIのドラムセットへ駆け寄り、見つめ合いながら演奏するシーンも見られた。

 「最終日、完璧にやりきってやる! 負けねぇ! 今やりつくすしかないよな!」と気合十分のMCで会場を沸かせたHYDEが、「こんなカオスでスリリングなバンドですが、新曲がちゃんとあります」と冗談を交えて紹介し、「Tonight, The World Is Mine」を初披露。ストレートなロックサウンドで会場の熱量をさらに高めると、そのまま「Here’s The Love」で重厚感と高揚感の両方を届け、レジェンドならではの圧巻のステージを届けた。

 ここでYOSHIKIが初めてマイクを握り、待ってましたと言わんばかりの歓声が沸く。しかしYOSHIKIは、「ちょっと気が動転していて、何を喋っていいかわからない」とだけ話すと、言葉にできない思いを音に託すようにして、物憂げなメロディをピアノで奏で始めた。そのまま「Beneath The Skin」へ突入。感情を全て吐き出すような殺気だったパフォーマンスに、観客は圧倒されるばかりだ。

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