THE LAST ROCKSTARS、Rockon Social Club、Uniolla……ベテランによる新バンドが追求する音楽の可能性

 第一線で長年活躍してきたベテランミュージシャンが新しいバンドを始めることは少なくない。時に新鮮なアプローチを行い、時にその存在感を強化をする。そんなベテランたちがこの2年ほどで組んだ新バンドを紹介していきたい。

 昨年末に大きな話題を呼んだTHE LAST ROCKSTARS。メンバーはYOSHIKI(X JAPAN)、HYDE(L'Arc〜en〜Ciel、VAMPS)、SUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)、 MIYAVIという錚々たる顔ぶれ。その名の通りにロックスターを体現するリッチさを誇り、メンバーのこれまでの歴史的価値を各々が増幅し合うバンドと言える。現在リリースされている「THE LAST ROCKSTARS」もエレクトロな要素はありつつもロックのダイナミクスが漲る1曲だ。

THE LAST ROCKSTARS (Paris Mix)Full Ver. finally out! 1st Single available.YOSHIKI HYDE SUGIZO MIYAVI

 昨年夏に期間限定で復活した、男闘呼組。そのメンバー4人(成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽)を中心に結成されたRockon Social Clubもまた、ベテランによる新バンドとして始動している。寺岡呼人をプロデューサーに迎え、エネルギッシュな新曲で構成されたアルバム『1988』もリリースしており、ピュアなロックへの愛が溢れる活動を行っている。アイドルグループを起点として始まった男闘呼組の意志を引き継ぎながら、年齢を重ねたからこその表現をアウトプットする場としてRockon Social Clubは機能し続けるだろう。

Rockon Social Club「遥か未来の君へ」

 2021年に結成されたUniollaは、LOVE PSYCHEDELICOのKUMIがボーカルを務め、深沼元昭(PLAGUES/Mellowhead)、林幸治(TRICERATOPS)、岩中英明というメンバーで構成されたバンドである。元々は深沼のソロプロジェクト MellowheadにKUMIを招きたいと考えたことを機に始動し、“大人のガレージバンド”を掲げている。プライベート感に溢れるバンドだが、楽曲はラフなようでいてそれぞれの熟練の技が散りばめられたハイクオリティなものばかり。リラックスしたサイドワークだからこそ、ミュージシャンの真価が発揮される好例と言えるだろう。

Uniolla - あしたの風(Studio Live Video)

 数多くのバンドを掛け持ちする川谷絵音は、2021年にも新バンド・礼賛を結成した。お笑いコンビ・ラランドのサーヤがCLR名義でボーカルと作詞作曲を担当し、川谷はアレンジとギターを担当している。編曲において川谷はあらゆるプロジェクトで培ってきたアイデアを総動員しており、礼賛で作った楽曲もまた他バンドに還元されていくはず。川谷は新バンドを作り続けることで絶えず進化を続ける稀有なミュージシャンと言える。

礼賛 - TRUMAN ("ONEMAN LIVE 2023「whoopee!!!」"2023.05.25 恵比寿リキッドルーム

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