Official髭男dism、BUMP OF CHICKEN、XG、Nulbarich、DISH//、ano……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はOfficial髭男dism「SOULSOUP」、BUMP OF CHICKEN「Sleep Walking Orchestra」、XG 「WINTER WITHOUT YOU」、Nulbarich「DISCO PRANK feat. Leo Uchida (Kroi)」、DISH//「いつだってHIGH!」、ano「猫吐極楽音頭」の6作品をピックアップした。(編集部)

Official髭男dism「SOULSOUP」

Official髭男dism - SOULSOUP [Official Video]

 『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』主題歌となる新曲。スパイ映画といえばハラハラドキドキを盛り上げるホーンでしょ、という思惑だろうか、ド派手なホーンから幕を開けるすこぶるアッパーな一曲。バンドサウンドよりも豪快なトランペットやめくるめくストリングスを全面に押し出したアレンジで、「バンドはメンバー演奏こそが主役」といったこだわりを良い意味で持たない彼らの柔軟性が改めて伝わってくる。また、曲調に引っ張られたのか、藤原聡(Vo/Pf)の歌唱も恐ろしくパワフル。吸い込む息の量がいつもの1.5倍という感じで、〈「あんたじゃ役不足だ」〉のところでたっぷりドスを効かせるなど、柔和なイメージを小気味よく打破している。(石井)

BUMP OF CHICKEN「Sleep Walking Orchestra」

BUMP OF CHICKEN「Sleep Walking Orchestra」

 ダンジョンの中で襲ってくる魔物たちを料理し、食べながら冒険する異色の大ヒットコミック『ダンジョン飯』(KADOKAWA)。マンガ界の新たなジャンルを開拓した本作のTVアニメ版のオープニング主題歌を、00年代以降の邦ロックシーンの在り方を決定づけたBUMP OF CHICKENが担当するのは、連載開始当初から彼らが原作を追い続けていたということも相まって必然だったと言っていいだろう。アイリッシュの風を感じるイントロからはじまり、タイトなグルーヴをまとったバンドサウンドへ移行。途中でリズムが変化し、さらにEDM的な音像が加わる構成は、何が現れるかわからないダンジョンを旅しているかのよう。しなやかなメロディとともに放たれる〈そろそろ往こうか まだここじゃない〉というフレーズは、『ダンジョン飯』と重なると同時に、BUMP OF CHICKEN自体が果敢に前進を続けている姿とも繋がっている。(森)

XG「WINTER WITHOUT YOU」

XG - WINTER WITHOUT YOU (Official Music Video)

 韓国、日本での5年に及ぶレッスンを経て2022年にデビュー。今年はグローバルヒットを次々と放ち、世界的なブレイクが目前に迫った7人組グループ・XGの新曲「WINTER WITHOUT YOU」は、彼女たちのルーツである90年代R&Bのエッセンスを注ぎ込んだバラードナンバー。エレピの心地よい音色、メンバー個々の声質を際立たせるアレンジなどによって、温故知新という言葉がぴったりな楽曲に仕上がっている。歌詞のテーマは“宇宙で迎えるクリスマス”。地球にいる大切な人たちに思いを馳せながら、メンバー7人がまるで家族のような雰囲気で聖なる日を過ごす。切なくも温かいイメージをもたらすこの歌には間違いなく、彼女たちの大きな魅力であるポジティブな連帯感が反映されている。(森)

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