B'z、L'Arc~en~Ciel、Mr.Children、BUMP OF CHICKEN……“ファン目線”で語る番組で取り上げたくなる魅力

 7月3日放送の『推しといつまでも』(MBS/TBS)2時間スペシャルで、B'zが特集された。B'zファンとして知られるブラックマヨネーズの小杉竜一や菅井友香がゲスト出演し、名曲ランキングや歴代神ライブランキングなどがオンエア。このような、ファン目線でバンドを語る番組はたびたび放送されて話題になる。そこで取り上げられるバンドにはどのような語りたくなる魅力があるのか。本稿で考えていきたい。

 B'zといえば過去に『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも「B'z芸人」として特集されていた。稲葉浩志の圧倒的な声量や松本孝弘のギター演出といった話題から、「B'zのLIVE-GYMにようこそ!」という恒例の挨拶に関することや、ライブで「だれにも言えねぇ」を披露する際に登場する“井戸”など、笑えるエピソードも満載。ディープなファンだからこそ届けることのできる内容だった。

 『アメトーーク!』ではその他にも芸人たちが好きなバンドについて語る特集が多く放送されてきた。例えば狩野英孝の10年以上の願いが叶って放送された「L'Arc〜en〜Ciel大好き芸人」。熱いファン目線のトークやファンのみぞ知るエピソードが繰り広げられ、L'Arc〜en〜Cielのイメージとは異なる意外な一面も知ることができた。また「Mr.Children芸人ではライブパフォーマンスやMC、楽曲の考察など音楽番組ではあまり取り上げられない視点からMr.Childrenの魅力を伝えていた。

 Mr.Children、L'Arc〜en〜Ciel、B'zといったスケールの大きなバンドだからこそ、ファン以外にはあまり知られていないエピソードも数多い。一般に浸透していない魅力もあるからこそファンの“語りたい”という心理を湧き立たせるのだと思う。お笑い芸人によるトークを中心とした『アメトーーク!』であればマニアックな話題も笑いと共に届けることができ、こうしたレジェンドアーティストを語る場として最適なのだろう。

 また『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)はバンド/アーティスト自身へのインタビューを行いつつ、彼らのファンである現役アーティストがその魅力を語る特集も放送している。例えば4月に放送されたBUMP OF CHICKEN特集では藤原基央(Vo/Gt)のインタビューに加えて、スタジオゲストの小林壱誓(緑黄色社会)、佐藤千亜妃、syudou、柳田周作(神はサイコロを振らない)によるトークパートがあり、最前線で活動するアーティストによるBUMP OF CHICKEN評は見応えがあった。

 BUMP OF CHICKENから受けた影響が自らの口から語られ、アーティスト視点で藤原のソングライティングの魅力も紐解かれるなど、貴重な内容だった同特集。メディア露出が少なくミステリアスな側面の多いBUMP OF CHICKENだからこそ、推測や考察をしたくなるのだと思う。このような想像の余地があるバンドもまた、様々な側面から語りたくなる魅力に溢れているのだ。

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