WurtS、ファンの“声”と共に作った全国ツアーファイナル 自信と力強さ漲るZepp Haneda公演
約2カ月間にわたり全国を回ってきた『WurtS LIVEHOUSE TOUR Ⅱ』。ファイナルはZepp Haneda(TOKYO)公演2デイズ。その2日目の模様をレポートする。
まずサポートメンバーの新井弘毅(Gt)、雲丹亀卓人(Ba)、城戸紘志(Dr)、そしておなじみのウサギ(DJ)が登場。みんな白シャツに黒のパンツというシックなスタイルだ。そして、少し遅れて上下スーツ姿のWurtSが姿を現した。キャッチーなリフから始まる「魔法のスープ」でライブをスタートさせた。
初の有観客ライブを行ったのが2022年4月。観るたびにバンドの一体感と躍動感が増していて驚かされるわけだが、何よりも進化しているのは、WurtS自身のオーディエンスとの向き合い方だ。「魔法のスープ」のアウトロでの「WurtSライブハウスツアーへようこそ!」という第一声にも自信と力強さが漲っていた。
イントロで大歓声が上がり、WurtSが「東京行けますか?」と言って、右腕を突き上げ、「僕の個人主義」へ。ギターの新井とベースの雲丹亀が同時にステージ前に歩み寄り、場内の温度が一気に上がった。〈段々段々段々〉というフレーズをオーディエンスも楽しそうに口ずさむ。
「ちょっと前にEPを出したんですが、皆さん聴きましたか?」とWurtSが問いかけると、即座にフロアから「イエーイ!」という元気な声が上がる。「そのEPから歌いたいと思います」と言って、「ユートピア」へ。吐息が混じったようなハイトーンで〈ユートピア〉と歌うサビが抜群のフックになっている。ベースラインが強調されるパートではWurtSがベースを指差し、骨太な演奏が鳴らされるというバンドメンバーとの連携も見事だった。
同じくEP『BACK』からタイトル曲を披露する前、WurtSは丁寧な説明をした。
「『BACK』というタイトルに対し、後ろ向きの意味で受け取られるんじゃないかと想像しました。最初にこの曲を書こうと思った時、初めての全国ツアーでいろいろな景色を見る中で、『ここは地元に似てるな』って感じて昔を思い出してみようとしたんです。『あの頃って良かったな』って思えるのはいつだったのかを考えたところ、僕は祖父母の家で遊ぶことが好きで、Oasisの曲が流れたりしていたあの家の空間に戻りたいなと思った。でも戻りたいって考えられる、後ろを振り返ることができるのは、今こうやって前を向いている証拠だと思った」