LE SSERAFIM、緑黄色社会、[Alexandros]、LANA、GRAPEVINE、Lucky Kilimanjaro……注目新譜6作をレビュー

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はLE SSERAFIM「ジュエリー (Prod.imase)」、緑黄色社会「サマータイムシンデレラ」、[Alexandros]「VANILLA SKY (feat. WurtS)」、LANA「BASH BASH (feat.JP THE WAVY & Awich)」、GRAPEVINE「雀の子」、Lucky Kilimanjaro「後光」の6作品をピックアップした。(編集部)

LE SSERAFIM「ジュエリー (Prod.imase)」

 NewJeans、Kep1er、IVEらとともにK-POP第4世代を牽引するLE SSERAFIM。日本2ndシングル『UNFORGIVEN』収録曲「ジュエリー (Prod.imase)」は、注目の日本人アーティスト・imaseの書き下ろし楽曲だ。代表曲「NIGHT DANCER」をBTSのJUNG KOOKがライブ配信でカバーするなど、アジア圏全体で知名度を上げているimase。彼にとって初の楽曲提供「ジュエリー (Prod.imase)」は洗練されたファンクネスを感じさせるトラック、軽快なギターカッティング、浮遊感のあるシンセなどを融合させたポップチューン。80'sシティポップをアップデートさせた音楽性、そして、凛とした美しさと輝きを放つジュエリーをテーマにした歌詞が、LE SSERAFIMの新たな魅力を引き出している。可愛らしさ、強さ、切なさを表現するメンバーのボーカルも魅力的。(森)

緑黄色社会「サマータイムシンデレラ」

サマータイムシンデレラ

 5月にアルバム『pink blue』をリリースした緑黄色社会から、新曲「サマータイムシンデレラ」が届けられた。作詞を長屋晴子・小林壱誓、作曲を穴見真吾が手がけたこの曲は、ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)主題歌として制作された楽曲だ。感情の起伏とリンクするようなメロディライン、そして、夏の恋が与えてくれる熱くて切ないストーリーを描いた歌詞。真夏の海を舞台にした恋愛ドラマに寄り添うことで、緑黄色社会のカラフルなポップセンスがしっかりと際立つ楽曲に仕上がっている。夏の切なさを想起させるpeppeの鍵盤をはじめ、メンバー全員のプレイヤビリティが活かされたアレンジ、寂寥感と解放感を同時に放つ長屋のボーカルも聴きごたえ十分だ。(森)

 [Alexandros]「VANILLA SKY (feat. WurtS)」

[Alexandros] - VANILLA SKY (feat. WurtS) (MV)

 意外な組み合わせに見えるが、WurtSにとっては小学生の頃から[Alexandros]がヒーロー、そしてこれが自身初のコラボ楽曲となる。ザラッとしたエレキギターと細やかな打ち込みが絡み合い、四つ打ちのキックが全体をまとめていくダンスロック。ただ、いわゆるディスコ風のアゲアゲなノリは皆無で、むしろアッパーに盛り上がりすぎないことに心を砕いて作った印象。サラッと終わる、だけど気づけばクセになる。そんな温度が心地いい。またWurtSのどこか混乱や不安を抱えた歌声との対比で、川上洋平の唱法がいかにオトナの余裕を湛えているのかが際立つ。ラスト手前の〈愛ないし、金ないし、長回し〉という歌詞はすごい。(石井)

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