SARM、2ステージライブでの多彩な魅力　和のエッセンスも取り入れたBLUE NOTE PLACE公演

　YUSUKE TAKAYAMAのDJタイムを挟んで迎えた2ndステージ。会場後方から謡いながら登場したのは、ゲストミュージシャンの高谷秀司だ。ステージに着いた高谷は、抱えた琴で｢BONBON GiRL｣のイントロのフレーズを奏で始める。オーディエンスが熱い手拍子を送る中、SARMたちも再びステージへ上がり、｢BONBON GiRL｣の演奏へとなだれ込んだ。｢皆さん、声出してくれますか？｣とSARMは客席にマイクを向け、〈Dah Dah Da-Da-La／Da-Da-La Dah／Dah Dah Da-Da-La／Uh Uh Uh〉のシンガロングが起きる。

　会場が一体となった1曲目から一転、ここからはしばらく“聴かせる”ステージが続いた。高谷の琴にあわせてSARMが謡ったのは、〈今は昔、竹取の翁といふ者ありけり〉という冒頭で知られる｢竹取物語｣。今回のライブでは、ステージ背景にプロジェクションマッピングを映し出すという演出も取り入れられており、このとき用いられた花吹雪がステージ上を舞うような映像が美しかった。続いて、11月1日にリリースされた新曲｢AI ga shitaino｣へ。浮遊感漂うサウンドが響く中、SARMは力強い低音と、切なさのこもった高音を使い分けて情緒的に歌い上げる。

　アコースティックギターに持ち替えた高谷とSARMのみで届けられたのは、未発表の新曲（リリース未定）。ギターのアルペジオにのせてSARMのハミングが響き、静かに始まった演奏は、高谷の力強いギタープレイにあわせて徐々に激しさを増していく。どう展開されるのか、全く予想がつかない。独特の緊張感が会場に満ちていて、歌い終えたSARMは｢すごい空気になってる！｣と一言。続けて、｢この会場を皆さんの愛でいっぱいにしてほしいです｣とスマホライトの点灯を促し、先ほどとは変わって柔らかな表情で｢I still got it｣を届けた。

　｢最後の曲です！｣と始まった｢I am I｣。リリースはされていないが、ライブではすでに披露されているダンサブルなナンバーで、彼女のパワフルなボーカルが炸裂する1曲だ。大きくジャンプし、踊り狂うように情熱的なパフォーマンスを繰り広げるSARM。観客は熱い手拍子を送り続け、演奏が終わって彼女がステージから去った後も鳴り止まない。それを聞いた彼女はステージへと戻り、「1回やった曲でもよければやります！」と再度｢BONBON GiRL｣を披露。「もう1回やってくれますか？」と呼びかけると会場に再びシンガロングが響きわたり、にぎやかにライブを締めくくった。

　1曲ごとに目まぐるしく雰囲気を変化させ、圧巻のパフォーマンスを見せてくれたSARM。開放的な雰囲気のBLUE NOTE PLACEがよく似合っていたが、彼女のパワフルな歌声がさらに大きな会場で響きわたる様子も見てみたい。多彩な魅力を持つSARMの音楽が、今後どのように広がっていくのか楽しみだ。

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