幾田りら×『アナログ』も Awesome City Club、SHE'S……映画にインスパイアソング起用の背景

 「勿忘」と「Chained」は楽曲の制作経緯が明かされており「映画の内容を踏まえた、アーティストによる自発的な楽曲」である点が主題歌とインスパイアソングとの大きな違いだと言えるだろう。特定のアーティストが依頼を受けて作品のために楽曲を書き下ろすことの多い主題歌とは違い、インスパイアソングでは映画に対する熱量をそのままに、アーティストは比較的自由に楽曲を制作することができるようだ。また、完成した作品をすべて観た上で生まれる楽曲という点もインスパイアソングの新しさである。

 一概には言えないが、作品の看板のひとつとなる主題歌は、アーティストの知名度や影響力、スポンサーの意向など、起用側が考慮する点は様々あるだろう。それに比べ、メンバーからの逆オファーが結実した「勿忘」、公募形式で起用された「Chained」など、主題歌とは別の基準・ルートで採用されるという点も特徴的だ。

 昨今はUGCや二次創作からヒットが生まれたり、参照元のコンテンツが広まることは珍しくないが、インスパイアソングも同様の性質があると言える。作品への深い理解とリスペクトを持って生まれ、作品との相乗効果が期待できるインスパイアソングは、今後より普及していくのではないだろうか。

※1:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/99469/2
※2:https://avexnet.jp/column/detail.php?id=1000431
※3:https://wwws.warnerbros.co.jp/soshitebaton-movie/news/detail/news03.html
※4:https://analog-movie.com/

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