#ババババンビ、困難を乗り越え掴んだ単独武道館への切符 強い個性とエンタメ力で増す勢い
#ババババンビの魅力の1つは、なんといっても個性豊かなメンバーだろう。アイドルのキラキラした部分だけを見せるのではなく、一人ひとりがすべてをさらけ出しながら等身大で活動する姿には、どこか親近感を覚える。
145cmの低身長がコンプレックスだったメンバーの岸は、#ババババンビへの加入によりまさに人生が変わったという。現在では、低身長だからこそ映えるダイナミックなダンスと、その姿からは想像もつかないパワフルな歌声を武器にしている。
普段はドッキリ企画で磨かれたリアクションに注目がいきがちだが、最年少メンバーの宇咲は10月4日に1st写真集を発売するなど、ビジュアルの強みを活かした活躍の場も広げている。
彼女たちは、それぞれの意見を出しやすくするために、あえてリーダーをおいていない。それぞれが責任を分け合い、個性をぶつけ合い、ライブパフォーマンスへと昇華していくさまが魅力的だ。
そして、アイドルの王道を布石にしたような楽曲たちや、それらをすべて納得させる洗練されたパフォーマンスの存在も欠かせない。
メジャーデビュー曲「ゲイシャフジヤマ」は、どこまでも型にはまらない#ババババンビの魅力を、すべて凝縮した仕上がりになっている。日本のわびさびを詰め込んだ歌詞と裏腹に、エキゾチックな雰囲気あふれるメロディがなぜかベストマッチ。予測のつかないタイミングで突如登場するラップパートは、クールビューティーな姿とバラエティでの明るい雰囲気のギャップが人気の水湊がさらりと歌い上げている。
メジャーデビュー前の楽曲たちも、チャレンジングなものばかりがそろう。#ババババンビ屈指のロックナンバーである「星形」は、ファンだけでなくメンバーからの人気も高い。焦燥すら感じるアップテンポなイントロから始まり、メンバーそれぞれが放つ魂の震えが伝わるほどの歌声に圧倒される。ライブでは歌詞にも表れているとおり、ファンと鏡合わせになって歌うパフォーマンスに胸の高鳴りがおさまらない。
#ババババンビの楽曲のなかでは珍しいバラード「スノードーム」は、彼女たちの個々の歌唱力の高さを感じ取れる。特に、圧倒的なボーカルスキルを持つ近藤が、曲全体のクオリティを底上げしている。MVでは手話を取り入れたダンスが特徴的で、その美しい所作から普段とは違う彼女たちの魅力に気づく。
また、YouTubeをはじめとした媒体にさまざまなコンテンツが積極的に公開されているほか、メンバーそれぞれがSNSを頻繁に更新しており、全国どこにいてもリアルタイムで彼女たちの行動を追うことができる。コロナ禍でできることを探し、配信に力を注いでいた彼女たちだからこそ、誰でもすぐにファンになれるいまの仕組みが確立したといえるだろう。メンバー自らもアイドルオタクを名乗り、特にファンの気持ちの理解度が高いと好評の小鳥遊は、ライブ配信サービス「SHOWROOM」での配信を1200日連続で達成している。
コロナ禍が落ち着き、徐々に彼女たちと直接触れ合える機会が増えていっている。2023年の冬、ライブでのファンの声出しが解禁されたのを皮切りに、同年9月には初の握手会が開催された。
目標であった日本武道館でのライブが決定したいまでも、彼女たちの勢いは止まることはない。『富士山to武道館』として、全国7カ所にてツアーを開催予定だ。
波瀾万丈、紆余曲折を乗り越え、武道館という夢の頂きから見る景色は、彼女たちにどう映るのだろうか。メンバーそれぞれがSNS上に記録した宝物のような思い出をたどれば、私たちはすぐにでも最前線のファンとして、歴史の目撃者になれる。
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