『呪術廻戦』第2期ED、羊文学「more than words」と崎山蒼志「燈」に共通する“青春”描く映像 それぞれが歌う関係性

 2つのエンディングテーマの映像に共通しているのが登場人物たちの何気ない青春時代が様々な角度から描かれているということだ。「燈」では猫と戯れる五条、バスケをする夏油、木陰で佇む家入など本編では描かれることなかった青春時代のひと時が描かれており、『劇場版 呪術廻戦 0』を見た視聴者にとってはグッとくるものがあるはず。「more than words」も虎杖、伏黒、釘崎の何気ない日常=青春が描かれていることは共通しており、3人がお互いカメラで撮り合っているシーンが映し出されている。これらはストーリーを補完する役割も担っており、「燈」ではかつての五条と夏油の関係性をはっきりと描き出し、「more than words」では3人の絆を強く印象づけることで、本編をより深く理解することができる。

 一方で「燈」の映像では平和な日々の中で夏油の不安定な心情も描かれている。それは暗闇の中で泳ぐ金魚に現れており、中でも印象的なのが黒い金魚に目線を向ける五条と、白い金魚から目を背ける夏油という物語とリンクした描写だ。かつては親友として心を通わせあっていた2人には埋まらない深い溝が存在しており、それが過去から現在へとつながっているという意味にも取れる。

TVアニメ『呪術廻戦』第2期「懐玉・玉折」ノンクレジットEDムービー/EDテーマ:崎山蒼志「燈」|毎週木曜夜11時56分~MBS/TBS系列全国28局にて放送開始!!

 “過去”に焦点を当てた「燈」に対し、「more than words」では“いま”が切り取られている。その象徴が写真を撮る行為だ。それはつまり“いまこの瞬間”を収める行為であり、虎杖ら3人の現在の関係性を示唆しているのも興味深い。そしてラストシーンでは虎杖がSHIBUYA109に向かって歩みを進める後ろ姿が捉えられており、未来へのポジティブなメッセージを感じさせる。ちなみに『more than words』のCDジャケットにも渋谷の街でどこかを見つめる虎杖が描かれており、エンディング映像ともリンクしているので注目してみてほしい。

TVアニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」ノンクレジットEDムービー/EDテーマ:羊文学「more than words」|毎週木曜夜11時56分~MBS/TBS系列全国28局にて放送中!!

 五条が夏油に封印されるという大きな展開を迎えているアニメ『呪術廻戦』。この先は虎杖を中心とした3人の関係性が大きく変化する展開が待ち受けているだけに、羊文学の「more than words」が届けるメッセージはより深く胸に響いてくる。アニメ本編とともにエンディングテーマにもじっくりと耳を傾けてみてはいかがだろうか。

※1:https://jujutsukaisen.jp/music/2nd_01.php

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