『呪術廻戦』『鬼滅の刃』『東京リベンジャーズ』……2021年、アニメと共に活躍の場広げた声優たち
2021年、アニメの枠を越えて社会現象となった『呪術廻戦』(TBS系)、『鬼滅の刃』(フジテレビ系ほか)、『東京リベンジャーズ』(テレビ東京系)。いずれも熱烈なファンを持つ人気漫画が原作であることや、原作の魅力を損なうことなく、むしろ何倍にもその魅力を押し広げた制作会社のこだわりも人気に一役買った。メインキャラクターを務めたキャストは、いずれも名の知れた声優が起用されているが、国民的人気を獲得した作品との出会いによって、アニメ/声優ファン以外の一般層にも認知を広げ、地上波のバラエティ番組やドラマ出演など、新たに活躍の場を広げた。本稿では、各作品で活躍した主な声優たちの2021年の活躍をまとめた。
声優の認知を広げた『呪術廻戦』『鬼滅の刃』
『呪術廻戦』は、昨年10月から今年3月にかけてアニメが放送。デジタル版を含めた既刊18巻までの原作コミックス累計発行部数は6000万部を突破。公開中の『劇場版 呪術廻戦0』は、公開3日間で190万人を動員し大ヒットを記録している。様々な商品や施設とのコラボが行われているほか、来年夏には舞台版が上演、さらにはアプリゲーム『呪術廻戦 ファントムパレード』の配信も控えている。
主人公・虎杖悠仁を演じた榎木淳弥は、『天地創造デザイン部』の下田や『SSSS.DYNAZENON』の麻中蓬、『はたらく細胞BLACK』(以上、3作品全てTOKYO MXほか)の赤血球(AA2153)など、多くのアニメで主人公を演じ、さらなる存在感を発揮した。アニメ以外でも『ボイスⅡ 110緊急指令室』(日本テレビ系)や『緊急取調室』(テレビ朝日系)などドラマにも出演し、バラエティ番組『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)への出演時は自らのコンプレックスを語り話題となった。
中村悠一が演じた五条悟は、中村ならではの大胆で繊細な演技と「領域展開」という決めゼリフによって、作中屈指の人気キャラクターとなり、TikTokでは五条のセリフを使った動画が数多く見られた。中村自身も『うらみちお兄さん』(テレビ東京ほか)や『SHAMAN KING』(テレビ東京系)など人気作に多数出演。昨年スタートしたYouTubeチャンネル『マフィア梶田と中村悠一の「わしゃがなTV」』も登録者数56万人を突破。元々の人気と実力と知名度が、アニメ/声優ファン以外の一般層にも広がった形だ。
現在放送中の『鬼滅の刃 遊郭編』(フジテレビ系ほか)で上弦の陸・堕姫を演じる沢城みゆきも、その注目度が一気に上昇した。『鬼滅の刃』は、昨年に引き続き日本のみならず世界中で旋風を巻き起こし、新規エピソードなどを加えて再編されたアニメシリーズでの『無限列車編』の放送や、様々な企業とのコラボで2021年を通し話題が絶えることがなかった。最も注目されたのは『遊郭編』の声優発表タイミングだろう。沢城が堕姫を務めることが発表されると大いに盛り上がった。
沢城は、『MARS RED』(読売テレビほか)、『EDENS ZERO』(日本テレビほか)、『月が導く異世界道中』(TOKYO MXほか)、Netflixで配信された『終末のワルキューレ』など今年も多くの作品に出演。さらに『愛の不時着』のユン・セリ役の吹き替えを担当したほか、『ドラゴン桜』(TBS系)や『科捜研の女 Season21』(テレビ朝日系)といったTVドラマにも出演した。ナレーターとしても『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)や『報道ステーション』(テレビ朝日系)などを担当している。普段アニメをあまり見ない人でも堕姫役を通じ、沢城の存在を認識した人も多かったように思う。