SEVENTEEN、Perfume、SEKAI NO OWARI、ゆず、milet、KERENMI……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はSEVENTEEN「今 -明日 世界が終わっても-」、Perfume「Moon」、SEKAI NO OWARI「ROBO」、ゆず「ビューティフル」、KERENMI「アダルト feat. アヴちゃん from 女王蜂 & RYUHEI from BE:FIRST」、milet「Hey Song」の6作品をピックアップした。(編集部)

SEVENTEEN「今 -明日 世界が終わっても-」

 日本初のベストアルバム『SEVENTEEN JAPAN BEST ALBUM「ALWAYS YOURS」』に収録された新曲「今 -明日 世界が終わっても-」は、ドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(カンテレ・フジテレビ系)主題歌。まず特筆すべきは、トラックメイク。ツーステップ〜ドラムンベース的なビートとギターロック系のサウンドを融合させることで圧倒的な独創性を体現しており、個人的には90年代のThe Chemical Brothersを想起する。さらにJ-POP的な抒情的な手触りの旋律を加えることで、国境やジャンルを越えたグローバルポップへと導いている。〈走り続けるよ 君のためなら〉に代表される、ドラマの物語とリンクしつつ、メンバーからCARAT(SEVENTEENファンの名称)に向けた想いにつながる歌詞も秀逸だ。(森)

Perfume「Moon」

Perfume / "Moon" Dance Practice Video

 ドラマ『ばらかもん』(フジテレビ系)主題歌に起用された「Moon」は、Perfumeの成熟を感じさせるダンスチューン。70年代後半のAORの雰囲気を感じさせるイントロからはじまり、しっかりと抑制の効いたエレクトロトラックへと移行。派手な仕掛けやギミックはなく、A、B、サビのオーソドックスなポップスの形式を踏襲している。メンバーの大人っぽい声の表情を引き出す、低音域〜中音域の響きを活かしたメロディもこの曲のポイントだろう。“周りに合わせる必要はない、すべては君次第”とリスナーに語り掛けるような歌詞も印象的。刺激的なワードに頼らず、何度もリピートしているうちにじわじわと心のなかに浸透するシンプルで奥深い言葉の表現にも注目してほしい。(森)

SEKAI NO OWARI「ROBO」

ROBO

 ドラマ『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』(テレビ朝日)主題歌。Saori作詞・Nakajin作曲のポップスで、ほんのりソウルの香りが漂う。音数は決して多くない、というのは昨今のトラックメイクの主流だが、ここではキックよりもしなやかなベースラインを強調している。ビート主体で踊らせず、柔らかなメロディやハーモニーの組み合わせで聴き手に寄り添うことを目指したのだろう。昨年リリースの「Habit」のように痛烈なトゲはないが、熟読すれば〈欠けてるところだけ指を差す/視力検査みたいな世界で/よくみんな壊れないなあ〉など、時代に対する批評眼も少々。それなのに、とても人懐っこくスイートなものとして耳にスルスル入ってくるFukaseの声はやはりすごい。(石井)

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