HYBE、K-POP市場で圧倒的な存在感を放つのはなぜか 時代を先取りする力と色濃く映るグループの個性
HYBE傘下のレーベル・KOZエンターテインメントから、5月30日に新たなボーイズグループ・BOYNEXTDOORがデビューを果たした。
HYBEといえば、BTSをはじめ、SEVENTEENやTOMORROW X TOGETHER、ENHYPENなど、所属しているボーイズグループが韓国内外問わず人気が高い芸能事務所だ。また、それだけでなく、昨年デビューしたLE SSERAFIMやNewJeansなどのガールズグループも、K-POPガールズグループ戦国時代と言われるなかで、一際高い人気と注目度を誇る事務所となっている。
なぜ、HYBEはこれほどに数々の人気グループを輩出しているのか。本記事では、その魅力を考察していく。
時代を見据えたコンテンツ発信力で認知拡大&ファンダムを強めることに成功
今となっては、K-POPファンなら誰もが知るHYBEだが、設立当初(当時の社名はBigHitエンターテインメント)は規模も小さく知名度も低かった。
その後、所属アーティストを次々とブレイクさせ、K-POPの三大芸能事務所と言われていたSMエンターテインメント、JYPエンターテインメント、YGエンターテインメントと肩を並べるまでに成長したのには、SNSやプラットフォームを駆使したコンテンツ発信に注力していたことが影響しているだろう。
例えば、HYBEが自社で展開するWeverse。Weverseでは、アーティストからのメッセージや動画が配信されるだけでなく、ファンがメッセージを投稿する場も設けられており、そういった場にアーティスト本人がコメントを残すこともできるようになっている。まさに、双方の交流が可能なプラットフォームだ。また、Weverseを通じてファンに向けたアンケート投票なども行われており、その結果がコンテンツ制作やコンサートの選曲などに生かされていることもある。
今では、多くのK-POPグループとファンたちのコミュニケーションツールとして知られているWeverseだが、初めはHYBE傘下アーティストのみの小規模なプラットフォームだった。時代に先駆ける形でファンと交流する場を設けて絆を深めたり、ファンの需要を把握していたりすることは、BTSの世界的大ヒットを筆頭にその後に続くグループの人気獲得にも一役買っているだろう。
また、情報収集ならTwitter、世界観やビジュアルを堪能するならInstagram、練習シーンや私生活などプライベートな部分はYouTube、といったようにあらゆるSNSの特性と需要を把握した上でそれぞれの場でコンテンツを発信することによって、ファンの期待や満足度を高めるだけでなく、これからファンになる、まだアーティストを詳しく知らない層にも魅力を拡散することにも成功しているのだ。
今となっては、これを当たり前に行っているグループが多いが、HYBEは時代を見据えて先駆けて行い、それが所属アーティストの確たる人気にも繋がったのだろう。