SEVENTEEN、BIGBANG、BTS、(G)I-DLE……“ファンの目線”を考えさせられる楽曲 アイドルが投げかける問い
4月に発売されたSEVENTEENの10thミニアルバム『FML』。ダブルタイトル曲の1つ「F*ck My Life」はとんでもないタイトルながら、社会に立ち向かう人を励ます曲となっている。
また、MVティザーが公開されるとすぐ、映画『トゥルーマン・ショー』のオマージュに気づいたファンも多かった。同作はなにも知らずに広大なセット内で暮らしながら、人生すべてをテレビで生中継されている主人公のトゥルーマンが違和感に気づき、脱出を試みるというストーリーだ。番組を見てトゥルーマンの人生を面白がる人間もたくさん映る。相手は同じ人間なのに、恐ろしさすら覚える。
MVには『トゥルーマン・ショー』を彷彿とさせるシーンがいくつも出てくるが、特に注目したいのはその結末。映画ではトゥルーマンが番組のセットから出て行くシーンで終わる。だが「F*ck My Life」のMVでは明確な脱出成功シーンがなく、「脱出しに行くSEVENTEENの映像」で締め括られる。それもそうだ。SEVENTEENの続く限り、現実の彼らの姿もカメラで映され続けるのだから。まさに『トゥルーマン・ショー』そのものじゃないか。
だから私は、最後のシーンをファンの目線だと解釈した。そこで今回は同様にファンの目線を考えさせられる曲をいくつか挙げたいと思う。
BIGBANG「LOSER」
いつものキラキラとした姿とは対照的な内容の曲とMV。それぞれが問題を抱えている様子が映され、全員の心身が傷だらけになる結末となっている。また、当時のメンバーのV.Iはインタビューで、「僕らも寂しさや悩みを抱えているLOSERだから大丈夫だよってメッセージを送っているんです。この曲を初めて聴いた瞬間、僕自身がまず励まされて、涙が出そうになりました」(※1)と話した。歌詞やMV、インタビューを見たファンたちは、BIGBANGメンバーが1人の人間として抱える影を想像しただろう。