ゴールデンボンバー、久々の4人体制ツアーファイナル さまざまなネタを詰め込んだ『振り返ればケツがいる』が迎えた大団円

ゴールデンボンバー、4人体制ツアーファイナル

ゴールデンボンバー ライブ写真
鬼龍院翔(Vo)

 歌広場による物販紹介をはさみ、後半戦へ。今更ながら、ゴールデンボンバーはエアーバンドであるが、稀に喜矢武が生演奏することがある。今回も演劇中の一部楽曲で喜矢武がギターの生演奏を披露していた。「でもなんか違う、僕が弾けばよかった」と申し出る鬼龍院。というわけで、23万円もするギターを用意し「君といつまでも」が始まったわけだが、ソロタイムになるとギターの上で一心不乱にキャベツを刻みだす鬼龍院。これは本来は喜矢武の持ちネタである「ギターの上でキャベツの千切り」である。そっちですか。23万円もするギターでキャベツの千切り、という灯りをつけるために札束に火をつける日本史の教科書の成金さながらの無駄遣いパフォーマンスを見せつけてくるとは。そしてその横で高らかにサビを歌い上げる喜矢武。カオスとしかいいようがない状態である。

 「拳でもタオルでも好きなものを回してください!」と歌広場が呼びかけると、シタールのサウンドが鳴り響いて「Hey Yo!」がスタート、メンバーそれぞれがラップを披露し、その後も「人間だ」、「暴れ曲」と激しいナンバーが続き、一転して爽やかな「キスミー」が届けられ、本編ラストは「†ザ・V系っぽい曲†」で締めくくられた。

ゴールデンボンバー ライブ写真

 アンコールは、ダンスナンバーなのにこのタイトル「踊るなよ -Do Not Dance-」で始まり、「皆かまってほしいんじゃないの〜」と鬼龍院がニヤリと笑い「かまってちょうだい///」へ。「女々しくて」に差し掛かると、突如警報が鳴り響く。隕石が地球に迫っていると報じるアナウンサー(演じるのは、もはやツアー映像のレギュラーになりつつあるお笑い芸人のライス・関町知弘)。歌広場がすかさずロケットに乗り込み隕石を破壊しようとするも撃沈、それを見て覚醒する樽美酒が「ケツの呼吸」で無事隕石を破壊。ただ強いだけでなく、美しさを兼ね備えたオナラを習得した樽美酒に感動する鬼龍院と喜矢武。なんだかんだで生きていた歌広場も合流。「ケツ」の形をした発射台から金色のテープが降り注ぎ、大団円を迎えたのであった。

ゴールデンボンバー ライブ写真

 ダブルアンコールでは新曲「残高ゼロ」が初披露された。80年代のアニメソングを彷彿とさせる熱いハードロックナンバーだ。心なしか鬼龍院の衣装や歌い方も熱血系アニソン歌手を意識している気がする。なお、MV中で喜矢武が重課金している設定のアイドル「FRUITS ZIPPER」は名前の通り(「FRUITS」で「ZIPPER」ですから!)原宿系アイドルなのに、こんな課金対象として描写されていいのだろうかと少し心配になってしまう。やはりゴールデンボンバーの周りには心の広い人が多いようだ。

ゴールデンボンバー ライブ写真

 「この曲でアンチ作ろうとしてるの?」と喜矢武に突っ込まれると、「ここで気を使って丸くなりたくないし、“多くの推し文化に対しての曲”だから、歌うときも(観客に対して)指をさしていない!」と、曲のスタンスは尖りつつも低姿勢を通り越して限界まで床に這いつくばる勢いで謝罪する鬼龍院。なんとも言えない空気の中、「最後は素敵な曲です、曲の力に助けられよう」(鬼龍院)と、「夜明けの待人」「イヤホン」と、バンドとファンの絆を感じさせる珠玉のナンバーで幕を閉じた。「イヤホン」でファンによるシンガロングが響き渡る光景は、胸に来るものがあった。

 ダブルアンコール前に鬼龍院が「ネタ詰め込むのはマジで大変なんで、とはいえ元気に活動はしていくし、4人がやりたきゃやるし、皆さんが来てくれるなら、期待以上のものをお見せするんで」と語ると、会場には大きな拍手が起こる。そしてツアー完走目前で緊張が解けたのか「自分勝手なこというと……楽しかった!」と声をつまらせる歌広場。それを見て「楽しかった!」「俺も!」と喜矢武と樽美酒。さらに温かい拍手に包まれていた。この4人でゴールデンボンバーである、そう感じさせるステージだった。

 「俺たちにはケツがある」は各配信サイト、「残高ゼロ」MVはYouTubeにて公開されている。

ゴールデンボンバー「残高ゼロ」ライブMV

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