Official髭男dism、くるり、back number、LE SSERAFIM、満島ひかり、XG……注目新譜6作をレビュー

LE SSERAFIM「UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers, Ado) -Japanese ver.-」

UNFORGIVEN (feat. Nile Rodgers, Ado) -Japanese ver.-

 大ヒットを記録した日本1stシングル『FEARELSS』に続く2ndシングル曲としてリリースされた本作は、韓国でリリースされた1stアルバムのタイトル曲「UNFORGIVEN(feat. Nile Rodgers)」にAdoが加わった“Japanese ver.”だ。しなやかにしてドープなヒップホップ系のトラックにガレージパンク的な匂いが加味され、西部劇『The Good, the Bad and the Ugly』(邦題『続・夕陽のガンマン』)のメインテーマをサンプリング。さらにナイル・ロジャースの鋭利なギターカッティング、Adoの強靭なボーカリゼーションが響くこの曲は、時代性、ジェンダー、ジャンルの壁を軽々と超える気持ちよさが宿っている。〈そう嫌いなの 古い継承〉に象徴される、既存のスタイルを拒否し、自らのアイデンティティを打ち立てるリリックも、この曲のコンセプトに直結している。(森)

満島ひかり「Shadow Dance(Prod. MONDO GROSSO)」

Shadow Dance (Prod. MONDO GROSSO)

 自身のレーベル「Rhapsodies」を設立し、第1弾として三浦大知、SOIL&“PIMP”SESSIONSとのシングルを発表した満島ひかりの第2弾コラボ楽曲。今作は過去にも共演経験のあるMONDO GROSSO・大沢伸一がサウンドプロデュースを担当。満島が数年前から書き溜めていた詩を、大沢が音楽的に配置し、整えていくことで、二人の感性が溶け合った美しい名曲が完成した。起伏の少ないメロディとポエトリーリーディング。秘めやかなストリングスと温かみのあるエレクトロニカ。派手すぎないダンスビートと、さらにひっそりサンプリングされた波の音。すべてが慎み深くエレガントであり、どこか懐かしい郷愁を帯びている。夏の夜をイメージさせる言葉たちが静かに降り注ぐ。(石井)

XG「TGIF」

XG - TGIF (Official Music Video)

 勢いの止まらない7人組ガールズグループ・XG。1stミニアルバム『NEW DNA』からの第2弾シングルカット。強めのキックと低音シンセをメインに進むトラック、流れるようなメロディ、〈Yea I’m with my ladies And the party don’t stop(うちらが集まってるからPartyは終わらない)〉〈I can’t hear the haters I’m too loud na na now(Hatersの声は聞こえない 大声で盛り上がっているから)〉と無敵女子宣言をカマす英語詞。確かにどこにも死角が見当たらない一曲だ。オフィシャルMVも487万回再生を突破(8月10日現在)。最新形ダンスミュージックが世界に突き刺さっていく様を目の当たりにしている気分になる。また映像を見ると、K-POPとは微妙に違う(海外から見た)kawaiiカルチャーが全面に押し出されているのが興味深い。この曲から日本に興味を持つ人も相当数いるのでは。(石井)

※1:https://www.nhk.or.jp/ncon/music_program/kadaikyoku_j2023.html

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