日向坂46、数々の名場面を生んできた『TOKYO IDOL FESTIVAL』の歴史 フェスならではのセットリストで伝えるグループの魅力

 2019年はけやき46から改名後、日向坂46として初めて『TIF』に出演し、SMILE GARDENステージのトリを務めた。この年からは三期生の上村ひなのが参加し、「ドレミソラシド」「キツネ」「JOYFUL LOVE」といった現在でもグループを代表する楽曲を披露。これまで数々の歴史を作ってきた伝統の屋外ステージには多くのおひさまが詰めかけ、コロナ禍前最後の『TIF』を盛り上げた。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、従来とは異なるオンライン形式で開催され、時期も10月に移された。メインステージであるHOT STAGEに登場した日向坂46は、活動を休止していた影山優佳が2017年以来の出演となった。上村を除く三期生が初めて参加し臨んだ2021年は、配信とリアルイベントのハイブリットで行われ、新たな『TIF』のあり方を模索する形となったが、日向坂46らしいパフォーマンスを届けた。

 2022年は3年ぶりに夏開催が決定し、「TIFアイドル総選挙」といった新たな試みが行われるなど、有観客と配信の双方を取り入れる形で開催された。コロナ禍の鬱憤が徐々に晴れつつある頃でもあり、ようやく夏の風物詩が戻ってきたという実感があった。この年の目玉は何と言っても2018年ぶりに期別曲を交えてのセットリストが披露されたことだ。日向坂46のファン以外も多数訪れる『TIF』の性質上、グループを代表する楽曲が多くなる傾向があるが、この日はライブ映えする曲だけではなく、各期のパフォーマンスをじっくりと楽しめるセットリストで、日向坂46の魅力を伝えることに成功した。

 2023年の今年は8月6日のHOT STAGEでトリを務めることが発表されている。出演メンバーはアナウンスされていないが、もし四期生の12名が参加するとなると対外イベントへの出演は今回が初めてとなる。単独でのイベントだけを見ても、四期生は『おもてなし会』と『4回目のひな誕祭』など数えられるほどでまだ経験は浅い。仮に『TIF』への出演が決まった場合には、これまで積み上げてきた成長を見せるいい機会でもある。これまでの流れからすると、期別曲をパフォーマンスする可能性も高く、四期生初のオリジナル曲となった「ブルーベリー&ラズベリー」や正源司陽子センター曲の「シーラカンス」、藤嶌果歩がセンターを務めた「見たことない魔物」の披露に期待がかかる。

 今年は4年ぶりに観客による歓声とジャンプが解禁され、過去最大の来場者数を記録した2019年の盛況ぶりがある程度は戻ってくることが予想される。まだ模索中の段階ではあるが、これまで数々の伝説を生み出してきた『TIF』で、今年はどんなドラマが生まれるのか。8月末に開催が控える全国ツアー『Happy Train Tour 2023』への弾みをつけるという意味でも、まずは『TIF』を成功させたいはずだ。日向坂46のとっても重要な位置づけである『TIF』でどんな姿を見せてくれるのか、楽しみにしたい。

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