日向坂46 影山優佳、やりたいことをすべてやり尽くすーーグループ大躍進の功労者としての5年間を凝縮した卒業セレモニー

影山優佳、卒業セレモニーレポ

 影山優佳はけやき坂46から日向坂46へと続く7年間の活動において、非常に稀有な存在だった。まず、彼女は2018年6月から2020年5月までの約2年間を、学業に専念するためにグループ活動を休止しており、アイドルとしての活動期間は5年ほど。しかも、けやき坂46から日向坂46へと改名するタイミング(2019年2月)は活動休止中で、グループがどんどん大きな存在へと成長し続ける重要な時期に、活動から距離を置いていたこともあり、改名後からファンになったという方々の中にはある種幻のような存在だったのかもしれない。

 しかし、グループ活動に復帰して以降の彼女の活躍ぶりは目覚ましいものがあり、中でも昨年の『2022 FIFAワールドカップ カタール』に関連するさまざまなメディアへの露出は記憶に新しいところだろう。また、クイズや謎解きに関してもその才能を遺憾なく発揮しており、今5月放送の『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)では「学力王No.1決定戦」にて史上最年少での優勝も果たしている。コロナ禍以降、有観客ライブや握手会などの活動ができなくなり、代わりに各々が持つバラエティ能力を最大限に発揮することで、個人でのテレビ番組出演の機会を増やしていった日向坂46だが、上記のような特定ジャンルでの突出した非凡ぶりが一般層にも認められたことで、影山を通して日向坂46という名前がさらに広まったのは間違いない事実だ。

 活動再開からたった3年で、2年間の空白を見事に払拭してみせた影山だったが、昨年末より耳の不調によりライブ活動を欠席する機会が増えていた。そんな中、今年2月の卒業発表には「まだ早すぎる」という反響とともに、「事情が事情だけに仕方ない」という声も少数ながらも見受けられた。グループとしては、昨年の渡邉美穂、宮田愛萌(ともに二期生)に続く卒業となるが、一期生の卒業は2020年の井口眞緒以来であり、けやき坂46結成のきっかけとなった長濱ねるを除けば、この7年間で一期生の卒業は影山でまだ3人目という事実にも驚かされる。けやき坂46として活動を始め、しばらくは辛酸を嘗めた時期が続いたが、だからこそメンバー間の結束力に関してほかの坂道グループとは違ったものがあるのかもしれない。

 そんな影山の卒業セレモニーが7月19日、東京国際フォーラム ホールAにて開催された。同会場は1年前に渡邉の卒業セレモニーが実施された場所でもあるが、一期生がこういった卒業セレモニーという形で送り出されるのは今回が初めて。また、耳の不調が原因で長時間のライブも難しいことから、ライブの曲数も通常の卒業セレモニーよりも絞られることが事前に予想でき、だからこそどんな内容のイベントになるのか、個人的にも大きな注目を寄せていた。

 筆者は現地でこの卒業セレモニーを観覧したのだが、イベント冒頭に影山の口から説明されたように、「影山優佳が日向坂46としてやり残したことをすべてやり尽くす」内容であり、湿っぽさよりも彼女らしく終始笑顔に満ち溢れた、影山と日向坂46にとって希望しか感じられないポジティブなひとときを過ごすことができた。

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