小倉久寛、チャリティライブ『テケテケな夏』を前に語る音楽への想い 加山雄三との特別な思い出も

小倉久寛が語る音楽への想い

ライブも演劇も練習している時の方が好き

小倉久寛
ーー今回のバンドメンバーは、舞台音楽を数多く手がけている大崎聖二さんを始め、皆さんお知り合いの方ばかりですか?

小倉:大崎は中学の時からバンドを組み、ギターを弾いてギャラをもらっていたようなギター小僧だったんです。今も所属していますけど、もともとSETの劇団員で、芝居を始めたきっかけが、音楽をやるのに芝居も知っていた方がいいという理由で。今はSETを始め、舞台音楽を幅広くやっていて、短いものも入れるとこれまでに3000曲ぐらい作っているみたいですよ。その大崎が、今回はバンドメンバーも集めてくれて。何十年も前に初めてライブをやった時は、SETの劇団員だけでやったんです。ただ劇団員だと、みんな忙しくてなかなか集まれないし、スタジオに入っても時間がかかってね(笑)。プロのミュージシャンを集めてくれると、僕が一生懸命家で練習すれば、後はバーンとその方たちがやってくれるので、だんだんとメンバーが変わっていきました。

ーー以前ブログに、本番は緊張するので、練習スタジオで皆で合わせるのが楽しいと書いていらっしゃいましたね。

小倉:1人で練習するのも楽しいんですけど、他の楽器も入って皆でやると、楽しいじゃないですか。練習スタジオでも緊張はしますけど、ほどほどのいい感じの緊張で。本番はもう指がガッチガチで、うまく弾けない言い訳ばっかりしてますね。

ーー言い訳トークがまた、お客さんにウケるらしいですね。バンドと演劇で、似ているところと違うところはありますか?

小倉:お客さんの前で何かをパフォーマンスするというのは、基本的には同じですかね。変な下心とか、あったりするじゃないですか(笑)。良く見せたいとか、これだけ練習したんだから全部出し切りたいとか、そこは同じような気がします。違うのは、バンドのライブは僕がメインなので、失敗しても言い訳ができるところ。芝居は言い訳なしですから。

ーー演劇は、すごく緊張感がありますよね。

小倉:多分、お客さんも緊張しているんですよ。お客さんからスタッフから役者から、みんなでワーッて入り込んで、一つの世界を作り上げる。あの緊張感がきっとたまらないんでしょうけど、僕はあの緊張感から逃げ出したくなる時もあるから。

ーー今もですか?

小倉:そうです。慣れるということが、ないんですね。三宅さんがよく言うことで、その通りだと思うんですけど、緊張しない方法は稽古しかないと。稽古を重ねて、「よし、もう大丈夫!」という気持ちになれたら、変な緊張はしないと。だから演劇も稽古している時の方が好きです。ずっとこのまま稽古だといいのになと思ってやってます(笑)。三宅さんはね、「よし、もう大丈夫!」と思えたら、「早く本番にならないかな、早くお客さんに見てほしい」って言うんですよ。僕は全くそんな気になったことはないです。

小倉久寛

ーー長年のパートナーでいらしても、三宅さんとはかなり違うんですね。

小倉:全然違いますよ。僕はネガティブですし、「どうしよう」ってすぐ口にする。三宅さんは口に出さないんですよね。座長なので、出したら大変ということもあるんですけど。

ーー小倉さんも、この『テケテケな夏』では座長をやらなければいけないわけですよね。

小倉:いやいや、全然きちんとやってません(笑)。昨日も、ゲストのパッパラー河合さんに言われました。「小倉さんって、“もう駄目”って言うところから始まりますよね」って(笑)。

ーーそのゲスト、まずは、サンプラザ中野くんとパッパラー河合さんとはどういった仲でいらっしゃるのですか?

小倉:爆風スランプの2人とは事務所が同じなんです。中野さんが『熱海五郎一座』のテーマソングも歌ってくれてたり。僕の60歳の記念パーティーで2人に「Runner」を歌ってもらったこともあって。

ーーお話していても、気が合うのでしょうね。

小倉:河合さんは特に話好きですよ。ライブではずっと中野さんが話しているので、自分も話したくてしょうがないと言ってました(笑)。だから2人と喋ってると、話があっち行ったりこっち行ったりして、楽しいですね。

ーー『テケテケな夏』も、音楽よりトークの時間の方が実は長かったりするのですか?

小倉:以前、ラサール石井さん、山口良一さんとやった時は、1曲目が始まるまでに30分間かかりましたね(笑)。

ーー今回も、トークにも期待できそうですね。

小倉:浅野ゆう子さんに来ていただいて、歌っていただくだけじゃ、もったいないじゃないですか。いろいろ話している姿とか、お客さんに見てほしいじゃないですか。ただもちろん歌もすごくて、「セクシー・バス・ストップ」を歌ってもらうんです。

ーーそれはすごいですね。1976年のディスコヒットで、今も人気です。

小倉:それに中野くんがね、浅野さんが爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」を歌っているのを聞いたことがあるって言うんです。事実かどうか、本人ももうわからないんですけど、今回一緒に歌いたいって。

ーー小倉さんの歌も聞けるんですよね。

小倉:僕は歌いません。客席からも「歌って」という声は出ないです。たまに出るのは「頑張れ」。「ギター頑張れ」って(笑)。

ーー今回の会場、BAROOMは円形劇場ということで、特別な演出もあるのでしょうか?

小倉:僕が好きな会場なんですよね。南青山っていう場所も好きですし。ホールの周りはカフェ、レストラン、バーになっていて、窓から六本木通りを見ながら飲食も楽しめるので、ぜひ入ってみてほしいですね。近くには木村屋さんという、美味しいパン屋さんもあります。安くて美味しいんですよ。

ーーお客さんには丸1日、楽しんでいただけそうですね。

小倉:はい、1日楽しめると思います。ライブの見所としては、浅野さんの「セクシー・バス・ストップ」と、爆風スランプの「Runner」をぜひ聴いていただきたいですね。「Runner」は目の前で歌ってもらうと、めちゃくちゃ元気が出ますよ。

■公演情報
『小倉久寛 PRESENTS「テケテケな夏 2023」』
会場:東京 BAROOM
公演日程
7月29日(土)
①14:00 開場 / 14:30 開演
②18:00 開場 / 18:30 開演
出演:
小倉久寛&世田谷ベンチャーズ
スペシャルゲスト:サンプラザ中野くん、パッパラー河合、浅野ゆう子
チケット料金:
全席指定 8,500円(税込)
全席指定 11,000円(税込)※1ドリンク+おつまみプレート付き(各回30名限定)

※未就学児入場不可
※ドリンク及びおつまみプレートは、終演後、併設のバーにてご提供いたします。
注意事項
※飲食提供は各公演終演後より提供になります。追加での提供は別途ご精算くださいませ。
※上演中の入退場は可能ですが、劇場の構造上お入りいただけないタイミングがございます。あらかじめご了承下さい。

公演に関するお問合せ
BAROOM
info@baroom.tokyo

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