加山雄三、小田和正、矢沢永吉……ライブにおける最年長記録を塗り替えるレジェンドたち 半世紀以上も輝き続ける理由とは?

 年末になると気になってくるのが『NHK紅白歌合戦』である。誰もが知る国民的歌番組という意味では、やはり筆頭に挙げられる長寿番組だ。特にここ数年は、2019年に米津玄師が故郷である徳島県内の大塚国際美術館からの中継で音楽番組に初めて生出演したほか、2021年には藤井風が東京国際フォーラムのステージにサプライズで登場するなど、その演出も含めて若手の活躍が目立った印象である。第73回目となる本年の『紅白歌合戦』も出演者が発表された際、若手枠が大きく増えたことが話題になった。そんな中で“史上最高齢出演者”として注目されたのが、特別企画に出演する加山雄三である。

 1960年に銀幕デビューした加山雄三は、以降“若大将”の愛称で親しまれ、主演映画でヒットを連発し圧倒的な人気を誇った。1961年には「夜の太陽」で歌手デビュー。「君といつまでも」「ぼくの妹に」「お嫁においで」など多くのヒット曲を世に送り出している。また、ギタリスト、ピアニスト、ウクレレ奏者であると同時に、詞曲(主に作曲が多い)も手掛け、日本におけるシンガーソングライターの草分け的存在として、1970年代以降のフォークやニューミュージック全盛期に大きな影響を及ぼした。加山雄三は、本年でコンサート活動からの引退を表明しているゆえ、『第73回NHK紅白歌合戦』が彼のラストステージとなるが、史上最高齢・85歳での『紅白』出場は間違いなくレジェンド級の記録になるだろう。

加山雄三「お嫁においで」

 レジェンド級の記録といえば、本年“史上最年長記録”を塗り替えたアーティストがいる。75歳を迎えたシンガーソングライターの小田和正だ。彼は本年、史上最年長で全国アリーナツアー『明治安田生命 Presents Kazumasa Oda Tour 2022「こんど、君と」』を開催し、全国15カ所29公演で30万人を動員した。さらには2023年5月~8月にかけ、同ツアーの追加公演を発表。全国8カ所16公演を行い、合計約50万人を動員する規模のツアーとなる予定である。

小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」

 そしてもう1人、レジェンド級の記録を“自ら更新”したアーティストがいる。本年、73歳となり活動50周年イヤーに突入した矢沢永吉だ。今年彼は、史上最年長で全国スタジアム&ドームツアー『MY WAY』を開催し、新国立競技場で改修後初の有観客ライブを行った。この最年長記録は、矢沢永吉が69歳で樹立した同記録を本人が更新した形になる。“矢沢による、矢沢の更新”はこれだけに留まらない。矢沢永吉のライブの聖地ともいえる日本武道館公演では、1977年8月26日に日本のソロ・ロックアーティストとして初めてライブを行って以降、現在も自身で日本武道館最多公演記録を更新中である。

矢沢永吉「止まらないHa~Ha - Live at 日本武道館'99」

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