NARLOW、初の単独ライブに“転生者”が熱狂 歌とダンスで胸に深く突き刺す悲痛なメッセージ

NARLOW、初単独ライブレポ

 NARLOW初の単独ライブ『転生アイドルが7人集まったら最強の単独ライブで無双して世界を救った件について。 Vol.1』が7月4日に東京・渋谷WOMBにて開催された。6月3日のデビューライブからわずか1カ月で実現した単独公演を目撃すべく、会場には熱心な転生者(NARLOWファンの呼称)たちが多数集結、立錐の余地もない大盛況となった。本公演の模様を以下にレポートする。

 開演前から言い知れぬ熱気に満ちていたフロアの照明が落とされると、まずステージ背面に設けられたスクリーンにオープニングムービーが映し出される。この日の会場となったライブハウス・WOMBの外観からフロアまでを移動していく一人称視点の映像などでオーディエンスの没入感と高揚感をかき立てたのち、メインスピーカーからラウドなギターリフが鳴り響いた。舞台袖からイケダナナが「お前ら、盛り上がる準備はできてるかー!」と咆哮を上げながら力強い歩調で登場すると、それに続いてメンバーが1人また1人と姿を現し、7人が横一列に勢ぞろい。聴衆は熱のこもった声援でこれを迎え入れた。

 するとエレキギターのブライトなコードストロークが鳴り響き、山下うみの歌い出しで口火を切る「#この人生はフィクションであり実在の人物や団体などとは関係ありません」でライブがスタート。〈つまんねえな〉の絶叫ユニゾンとともに焦燥感を募らせるような性急なエイトビートが打ち鳴らされ始め、イケダの煽りにオーディエンスの盛大なMIXが重なり合うことでフロア全体の熱気が加速度的に上昇していく。そして息をつかせる間もなく2曲目の「それを優しさと呼ぶならば」が投下され、ペンライトの海は激しく波打ち続けた。

 デビューライブとは異なり、この日はバンドを入れない7人のみでのパフォーマンス。その分、メンバーらはステージの隅から隅までを自分たちの領域として制圧するかのように目まぐるしくフォーメーションを入れ替えながら歌い踊り、悲痛なメッセージを聴く者の胸に深く突き刺していく。MCでは、各メンバーがそれぞれの意気込みを改めて宣言。パン・ルナリーフィが「今日は初単独ということで、みんなでひとつになって盛り上がっていきましょう!」と呼びかけて大歓声を巻き起こすと、イケダは客席の沸き立つ様子を満足そうに見渡しながら「声、出てんねー」と目を細める。しかし「初単独だよ? それでいいの? いいわけねえよなー!」と火に油を注ぎ、会場をますますヒートアップさせることに成功。その一方、ムロ葉菜子は自分の名前を3回名乗るのみという独自路線の挨拶で聴衆を沸かせていた。

 次に披露されたのは、6月24日に第2弾音源として配信リリースされた「ぜんぶ嘘じゃん。」。MCを挟んだせいもあってか、メンバー、オーディエンスともども心なしか肩の力が抜けた様子で、ますます熱狂に拍車がかかっていく。続いて円周律による「よければ一緒に歌ってください」との呼びかけを契機に、ミディアムナンバー「大人に為ってしまった行儀良いわたしへ」が披露された。切実なまなざしで拳を突き出すパフォーマンスが印象的なこの楽曲は、7月8日より第3弾音源として配信が開始されている。ぜひチェックしておこう。

 乃井りこの仕切りでオフィシャル写真撮影がほがらかに遂行されたのち、河野奈々帆の口から「次の曲は、なんと新曲でございます」との言葉が不意に告げられ、カバー曲「No.7」のパフォーマンスが勢いよく始まった。原曲はNARLOWのプロデューサーであるANCHORが作詞作曲を手がけたテレビアニメ『地縛少年花子くん』(TBSテレビほか)のオープニングテーマで、曲中に円周らによるラップパートも含まれるミクスチャーロックテイストのアッパーチューンだ。激しくもポップなこの曲でフロアを狂喜乱舞させると、その勢いのまま、グループのアンセムとして定着しつつある「こんな世界に為ろうと」へとなだれ込む。7人は一糸乱れぬダンスパフォーマンスと鬼気迫る歌唱で会場全体をひとつに巻き込む竜巻のようなうねりを発生させ、歌い終えるやいなや「以上、NARLOWでした!」と声高に挨拶して嵐のように舞台から退いていった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる