FIVE NEW OLD、3年越しの10周年リベンジライブ 音楽でユートピアを築いたLINE CUBE SHIBUYA公演レポ

FIVE NEW OLD、10周年リベンジライブを観て

 FIVE NEW OLDが、7月2日に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて『FIVE NEW OLD 13th Anniversary One Man Live "Painting The Town"』を開催した。

FIVE NEW OLD
FIVE NEW OLD

 彼らは、2020年に同会場でバンド結成10周年記念ライブの開催を予定していたが、コロナ禍の影響により中止に。そのため、本公演は実に3年越しのリベンジライブとなった。

 そんな特別な思いが込められたライブは、タイトルに掲げた“Painting The Town(街に出て騒ぐ)”という言葉の通り、集まった観客たちと共に全力で楽しむ、最高の一夜となった。

 暗転後、待ち焦がれた観客の大歓声が響き渡る中、黒いストリングカーテンがかかったステージに、まずはHIROSHI (Vo/Gt)が一人登場。アコースティックギターで「Gateway」を弾き語りする。オレンジ色のあたたかな光の中で気持ちよさそうに歌う彼の美声は、一瞬で観客の心を掴み、会場を圧倒する。WATARU (Gt/Key)、HAYATO (Dr)、SHUN (Ba)とメンバーが一人、また一人と演奏に加わり、優しいメロディにそれぞれの音を重ねていく。そして観客は、HAYATOの刻むリズムに合わせて自然と手拍子をはじめる。オープニングにもかかわらず、クライマックスのようなドラマチックな光景だった。

FIVE NEW OLD HIROSHI
HIROSHI

 「渋谷、始めようぜ!」とHIROSHIが声高らかに宣言すると、「Breathin‘」へ。ステージと客席を遮断していたストリングカーテンが上がり、広いステージ一面を飾る巨大なバックスクリーンが露わになると、再び大きな歓声が上がる。曲中にもコール&レスポンスをしながら会場のテンションを上げていき、そのまま「Not Too Late」「Liberty」を続けて投下。4人の鳴らす上質なサウンドと自然と身体が動くようなグルーヴ感に、サポートメンバーである谷本大河のエネルギッシュなサックス、西野恵未の奏でる繊細で美しい鍵盤の音も加わり、集まった観客全員の心を躍らせる。HIROSHIの合図で観客が一斉にジャンプすると会場は大きく揺れ、早くも一体感が生まれていた。

FIVE NEW OLD WATARU
WATARU

 「Happy Sad」が始まると、まるでダンスを踊るようにライブを楽しみながらイキイキと歌うHIROSHI。それに触発されるように、WATARU、SHUN、HAYATOも熱いプレイを見せる。KOSE「SUNCUT」TVCMソングに起用された「Summertime」では、エモーショナルなギターのフレーズから始まり、夏の終わりを感じさせる切ないメロディを届けた。

FIVE NEW OLD SHUN
SHUN

 柔らかな音で大人っぽい雰囲気を作り出す「LNLY」では、プレイする4人のシルエットがバックスクリーンに淡く映し出され、観客の視線を奪う。ムーディな雰囲気のまま、「Too Good To Be True」へ。サックスの音が心地よく鳴り響く中、ステージはピンクと青の幻想的なライトで照らし出される。まるでアート空間に入り込んだような美しい景色を見せながら、極上のサウンドを届けた。

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