FIVE NEW OLD、3年越しの10周年リベンジライブ 音楽でユートピアを築いたLINE CUBE SHIBUYA公演レポ

FIVE NEW OLD、10周年リベンジライブを観て

 リラックスムードの会場のテンションを再び上げたのは、「One By One」。EDM調のサウンドと、それに合わせて自由自在に動く光が、観客の心を躍らせていく。疾走感あふれる「Fast Car」で駆け抜けたあとは、壮大なバラードソング「Moment」。HIROSHIの繊細なボーカルは、切なく観客の胸に響いた。

FIVE NEW OLD HAYATO
HAYATO

 MCパートでは、HIROSHIがこのライブにかける思いを静かに語る。本当は2020年の10周年に立つはずだったこと。一度は諦めたけれど、もう一度実現させるために、スタッフや関係者、そしてメンバーと協力しあったこと。一つ一つの言葉を丁寧に伝えると、鳴りやまないほどの長い拍手が客席からおくられる。するとHIROSHIは、「ありがとう。みんな、ええやつやな」と少しはにかんだようにお礼を言いながら、メンバーと目を合わせて笑い合った。

FIVE NEW OLD

 観客と心を通わせ合ったあとは、「Perfect Vacation」で再びエンジンをかける。夏の始まりを予感させる爽やかなサウンドは、この季節にぴったりだ。さらに「What’s Gonna Be?」「Sunshine」「Trickster」と、アップテンポな楽曲を立て続けに投下。WATARUも身体を揺らしながら観客とともにライブを楽しみ、SHUNはまるで暴れまわるような激しいプレイを見せ、HAYATOは全身を使いながら激しくリズムを刻んでいく。HIROSHIが「ハッピーなやつ手上げてくれ!」と煽ると、歓声と共に無数の手が掲げられる。その光景に満面の笑みを浮かべながら、「愛してるぜ、お前ら! マジで最高だわ!」と叫んだ。

 本編ラストは、「By Your Side」。メンバーと観客が声を合わせ、会場に集まった全員でのシンガロングは、大きな感動を生んだ。高ぶったHIROSHIは、ステージを降りて客席の間を通り、観客のすぐ傍へ。驚き喜ぶ観客とハイタッチをしたり、差し出された手を握ったりしながら、この最高の一夜を分かち合った。

FIVE NEW OLD

 鳴りやまないアンコールをうけて再びステージに現れたFIVE NEW OLDは、新曲「Crying with No Sound」に加え、「Don't Be Someone Else」、「Please Please Please」を披露。まるでユートピアのように幸福感溢れる会場に、HIROSHIは「今日みたいな日があるから、人生辞めらんねぇよな。音の鳴る場所でまた会いましょう!」と言葉を残し、ライブは幕を下ろした。

 FIVE NEW OLDは、今秋から全国ツアーを開催することを発表。『"Painting Your Town" Tour』と題したこのツアーでは、“あなたの街で賑わいを”をテーマに全国のライブハウスを回るという。今日のライブを踏まえ、彼らの音楽はさらに多くの人のもとへと広がっていくだろう。

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