SKE48 青海ひな乃&野村実代Wセンター「愛してるって言われたことがない」MV制作現場に潜入 新公演が深めたチームSの一体感

SKE48青海&野村Wセンター曲MV制作密着

 SKE48が7月5日に31stシングル『好きになっちゃった』をリリースする。センターを飾るのは、末永桜花。6月1日に2度目のソロライブを成功させたばかりのメンバーで、シングル表題曲のセンターを飾るのは今回が初となる。王道のアイドルをルーツとする末永にとってぴったりなシングルタイトルでありつつも、サウンドにはちょっぴりセンチな雰囲気が漂う、味わい深く何度も聴きたくなる楽曲だ。

「愛してるって言われたことがない」Music Video / SKE48 Team S

 シングルのType-Aに収録となる「愛してるって言われたことがない」は、チームS曲。劇場公演の楽曲を除けば、2018年12月リリース『Stand by you』収録の「凍える前に」以来、約4年半ぶりのチームS曲となる。MVは岐阜県の長良川国際会議場で撮影された。グループがコンサートのリハーサルで使用してきた、メンバーにとっても思い入れのある会場だ。リアルサウンドでは、ロケの模様に密着。表題曲選抜メンバーの青海ひな乃、井上瑠夏、北川愛乃、坂本真凛、野村実代、チームSのリーダーである松本慈子、振付を担当したTERUへの取材コメントとともに、早朝から半日以上にわたって行われたMV撮影をレポートする。

SKE48「愛してるって言われたことがない」メイキング

 MVの軸となるコンセプトは、チームカラーの「Yellow」。メンバー各々が黄色のプロップス(小道具)を持ち、その周囲をレインコートを着た集団が通り過ぎていく。レインコートを着た人物は、「Yellow」=「チームS」のエネルギーを身に纏った存在で、そのエネルギーはメンバーへと引き継がれていく意志、といった設定がある。監督の小林慎一朗から、都度そのコンセプトが説明されながら、ロビーホールでは「赤堀君江、荒野姫楓、大谷悠妃、鬼頭未来」、ホワイエでは「石黒友月、上村亜柚香、竹内ななみ、仲村和泉」、屋上スロープでは「北川、坂本、中坂美祐」、外階段では「井上、野村、松本」といった組み合わせで順に撮影されていく。横切るレインコート隊は、ひよこ風の愛らしい風貌で、メイキングやオフショットなどでその姿が楽しめるだろう。

 青海のワンカットは夕方に市民ギャラリーで撮影が行われた。彼女が手に持つのはランタン。「チームSのこれからの希望の光」=「灯火」を表しており、「今までみんなが積み上げてきた力だったり、涙や汗、乗り越えてきたエネルギーがランタンにこもっていて、それをみんなにバトンで渡していくっていうのが今回のMVのテーマになっています」と青海は話す。

 中でも筆者が気になったのは、ダイヤル式の電話を持った坂本。受話器を耳に当て、叫んだのは「もしもし。お寿司食べに行かない?」だったのだ。なんでも坂本は、むくんでしまうからと、前日の夜にお寿司を我慢。その食欲が実際の声となって口から飛び出したようだ。また、スタッフの間で話題となっていたのは、ウクレレを弾く井上。ポロロン、ポロロンと音を鳴らしながら、彼女が口ずさみ始めたのは「かえるのうた(かえるの合唱)」、さらに「チューリップ」の童謡メドレーだ。前に座っていた松本から「笑いそうになるわ!」とツッコまれながら、井上は松本との間のBGMを担当していたつもりが、階段下にいるスタッフ陣にまで聞こえていたというわけだ。インタビューをしてやっとざわざわしていた理由が分かり、井上は恥ずかしそうにしつつも、「自分なりの『かえるのうた』はできたかなと。そこに注目です」と自信ありげに答える。当然ながら、MVに坂本と井上の声は乗っていないので、想像しながら映像を楽しんでほしい。

SKE48「愛してるって言われたことがない」メイキング

 余談となるが、当日はMV撮影以外にもシングルの特典DVDに収録される「Music Video Behind」用のGoProが回っており、控室では「チーム対抗クイズ対決」がスタートした。クイズと言えばと、松本が連れてきたのは、頭の回転が早いと定評のある大谷。途中から野村が覗きに来るほどの盛り上がりとなったクイズ対決の結果は、乞うご期待だ。

 午後からは屋上キューブ広場にて、青空をバックにしたダンスショットが撮影された。この日は季節外れの真夏日となり、ただ立っているだけでもつらくなってくるような気温。それでもメンバーは弱音一つ吐かず、約2時間近く、ダンスシーンの撮影をエネルギッシュに続けていく。インタビューをしていく中で、リーダーの松本をはじめとした多くのメンバーから出てきたのが、新公演を乗り越えてきたことでの自信だ。

SKE48「愛してるって言われたことがない」メイキング

 2022年5月28日に初日を迎えた、小室哲哉プロデュースによるチームSのオリジナル新公演『愛を君に、愛を僕に』。過酷なレッスン期間の中で、メンバーはボロボロになり、時に泥臭くぶつかり合いながら、プロの表現者としての覚悟を手に入れてきた。新公演ができるまでに密着したドキュメンタリー映像で、振付を担当した牧野アンナは初日の開演直前のメンバーたちにチームSの強みは「素直で真っ直ぐなひたむきさ」という言葉を送っている。同じ目標に向かって何を言われても疑うことなく、全員が真っ直ぐ同じ気持ちになれるその姿勢は、メンバー一人ひとりが今も変わらずに持ち続けている。

 新公演開始からもうすぐ1年という節目であり、北川は、メンバーが着ているレインコートを脱ぎ、宙に向かって投げるシーンで、新公演を作り上げてきた嬉しさやチームの一体感が表現できたと感じたという。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる