KANA-BOON、キュウソネコカミ、愛はズボーン、ナードマグネット……関西バンドが示す地元&ライブハウスへの愛

ハンブレッダーズのおびただしいほどのライブハウス愛

 最後に地元や、育ててくれたライブハウスをリスペクトするバンドをもう1組紹介する。それはハンブレッダーズだ。地元愛という点だと、2022年に万博記念公園で行われた『FM802×ハンブレッダーズ presnets Road to EXPO LIVE "フリー!フリー!フリー!"』が挙げられる。「万博記念公園で主催イベントを開催する」という目標を掲げていたハンブレッダーズ。万博記念公園のある吹田市はムツムロ アキラ(Vo)の地元でもある。

 ライブハウスへのリスペクトでいえば彼らの楽曲「ライブハウスで会おうぜ」を忘れてはいけない。この曲は新型コロナウイルスの流行および感染拡大防止措置の影響を受け、急遽制作されたライブハウス賛歌である。そのこともあって、例えばジャケットには彼らがインディーズ時代に幾度とライブをした場所、京都nanoの出演看板が映し出されている。そしてMV。関西のライブハウスで演奏するハンブレッダーズの映像とライブハウスの店長等の写真がインサートとして流れるが、登場するのは心斎橋Pangea、Music Club JANUS、寺田町Fireloop、南堀江knaveなど、そのどれもが彼らがインディーズ時代に出演してきたライブハウスだ。

ハンブレッダーズ「ライブハウスで会おうぜ」Music Video

関西出身バンドに共通する郷土愛の強さ

 ここまで地元、ライブハウスへのリスペクトするバンドたちの話をしてきたが、なぜに関西出身のバンドはここまで地元やライブハウスに対して強いリスペクトを持つのか。

 上記のバンドだけでなく、例えばaikoが初めてワンマンライブを開催した大阪・ESAKA MUSE(当時は江坂ブーミンホールという名称)で15周年記念公演を行ったことや、コブクロが結成20周年となる2018年9月8日に、インディーズ時代からストリートライブをしていた天王寺ミオでシークレットライブを開催したというケースもある。

 関西出身のアーティストの間にはもともと地元を大切にする文化が根づいており、育った場所に対して恩義を感じる傾向が強いのかもしれない。そしてその恩義を忘れずに活動しているからこそ、どれだけビッグアーティストになろうとも、地元やライブハウスへその恩を返し続けているのではないだろうか。

KANA-BOON、デビューから10年間で紡いだラブソングの変遷 歌い続ける“君”への変わらぬ思い

今年メジャーデビュー10周年を迎えるKANA-BOON。6月14日に“恋愛”に焦点をあてたコンセプトアルバム『恋愛至上主義』をリ…

KANA-BOON、困難乗り越え“4人”で始める新しい物語 希望に満ちたホールワンマン東京公演

4月15日にLINE CUBE SHIBUYAでKANA-BOONのホールワンマンライブ『「Honey & Darlin…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる