BABYMETALが実現した、“ライブ”を超えた一大エンターテイメント 最新公演から紐解く日本トップレベルのパフォーマンス力
4月1日、2日にぴあアリーナMM(神奈川)で行われたBABYMETALのワンマンライブ『BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE -』がWOWOWで放送・配信される。
同公演は初のコンセプトアルバム『THE OTHER ONE』のリリースに伴い行われたライブ。「BLACK NIGHT」(初日)、「CLEAR NIGHT」(2日目)と題されたこのライブは、“BABYMETAL復活の儀式の完結”、そして“METALVERSEに突入したBABYMETALの新たな物語の始まり”が交差するエポックメイキングな公演だ。(「BLACK NIGHT」の放送は6月26日、「CLEAR NIGHT」の放送は7月29日)
超本格的なメタルサウンド、キャッチ—で鋭利なメロディライン、虚構と現実が混ざり合うストーリー性、そしてメンバーのキャラクターと際立ったパフォーマンス能力。“Kawaiiとメタルを融合したメタルダンスユニット”BABYMETALの魅力をもっとも強く感じられるのは、やはりライブだ。
2012年にメタルの聖地として知られるライブハウス 目黒鹿鳴館に出演。以降、ライブ活動を精力的に行ってきたBABYMETALは、2010年代中ごろから海外のフェスやイベントにも出演し、2016年には日本人として初めてイギリス・ウェンブリーアリーナで単独ライブを行うなど、世界的な人気を得た。日本のライブハウスから海外のアリーナ公演まで。BABYMETALのライブ経験値の高さは、いまや日本のアーティストのなかでもトップレベルと言っていいだろう。
世界中のオーディエンスを惹きつける最大の要素はもちろん、メンバーのステージングだ。まずはメインボーカルのSU-METAL。重厚かつラウドなバンドサウンドのなかでもまったく埋もれることなく、壮大なメロディラインを鮮やかに描き出すボーカリゼーションはまさにBABYMETALの要。どんな規模の会場であっても、はっきりと歌詞が聴き取れることも彼女の強みだろう。MOAMETALのダンスパフォーマンスもキャリアを重ねるごとに進化を果たしている。高速のビート、極限まで激しさを高めたサウンドを完璧につかみとり、切れのいいダンスとスクリームで観客のテンションを上げていくステージングもまた、BABYEMETALの大きな武器だ。
彼女たちを支える神バンドの演奏も高く評価されている。王道のヘビィメタルを基軸に置きながら、スラッシュメタル、スピードメタル、ラップメタル、グラインドコアといった幅広いファクターを取り入れたバンドサウンドはきわめて独創的。アメリカ、ヨーロッパ、北欧、南米と、地域によって独自の発展を遂げてきたヘビィメタルだが、BABYMETALの音楽性は日本でしか生まれなかったものだと言っていいだろう。