THE ALFEE、50年間活動を続けたことへの誇り 高見沢「ここで弱気にならないようにと言い聞かせている」 

THE ALFEE、それぞれが感じる伸びしろ

 THE ALFEEが、2023年に結成50周年を迎えた。活動を止めることなく、結成当初からのオリジナルメンバーで50年間走り続けるバンドが、この世にはどれほどいるのだろうか。高見沢俊彦は「50年活動したからといって特別偉いわけではない」と謙遜気味に話していたが、1970年代〜現在に至るまで支持され続けることは、誰しもできることではないだろう。

 ドラマタイアップ曲を含む通算72枚目の両A面シングル『鋼の騎士Q/Never Say Die』をリリースし、4月6日から7月2日まで続く全国ツアー『THE ALFEE 2023 Spring Genesis of New World 風の時代』の開催など、現在進行形で精力的に活動を行なっているTHE ALFEE。声出しが解禁されたライブの手応えをはじめ、バンドの“お家芸”をふんだんに取り込んだ『鋼の騎士Q/Never Say Die』制作エピソード、そして結成50周年に対するそれぞれの心境を語ってもらった。(編集部)

「50年という歴史が説得力を持たせるのかもしれない」(高見沢)

ーー今年4月から7月までのライブツアー『THE ALFEE 2023 Spring Genesis of New World 風の時代』が開催中です。ライブでの声出しも解禁されましたが、実際にステージに立った印象はいかがですか?

高見沢俊彦(以下、高見沢):やはりファンの方々の歓声が聞けるというのは、ミュージシャン冥利に尽きるといいますか。これこそライブだなって実感しますね。

坂崎幸之助(以下、坂崎):「そうそうこれを待っていたんだよ!」という感じですね。この3年間、お客さんもライブで声が出せなかったこともあり、そこで溜まった鬱憤をこのツアーで晴らしていただけているのではないかなと思います。

桜井賢(以下、桜井):声が出せなかった頃も、みなさんの拍手の大きさを痛感していましたが、今はもっとすごいことになっていますよ。イヤモニを外して、実際に生でみんなの声を聴くと、そのあまりの声援の大きさに驚きます。声が出せなかった頃と比べて、比較にならないくらいの盛り上がりですね。

ーーそして、すでに今回のツアーでも披露されていますが、72枚目のシングル『鋼の騎士Q/Never Say Die』がリリースされました。「鋼の騎士Q」はドラマ『グランマの憂鬱』(フジテレビ系)の主題歌で、ケルト音楽の要素を散りばめた、ドラマチックでありながらもどこか哀愁を感じさせる一曲ですね。

高見沢:僕はたまたま原作を読んでいたので、楽曲を作る上でドラマのイメージは掴みやすかったです。物語は自然に囲まれた村が舞台ということで、ケルティックサウンドが頭に浮かびました。そこに君臨するグランマ(百目鬼ミキ/萬田久子)の金言によって様々なことが解決するという痛快なストーリーに寄り添う形で作った次第です。もともとケルティックサウンドが好きでしたけど、THE ALFEEとしてやるのは久々です。懐かしい香りのするサウンドに今の自分の思いを描いてみました。

坂崎:高見沢が言った通り、THE ALFEEの楽曲の中でも、特にドラマのシチュエーションに合うサウンドだと思います。ケルティックサウンドは僕らの持ち味の一つだし、メロディアスな曲調にハーモニーを乗せる構成は皆さんに馴染みやすいんじゃないかな? レコーディングをしていても、僕自身、どこか懐かしさを感じていました。あと、久しぶりにスリーフィンガーの曲だったので、年代違いのマーティン D-45を2本使って思いっきり弾かせてもらいましたよ。

桜井:耳触りのいいイントロから始まりますし、聴けば聴くほど、歌の世界に惹かれてゆく感じですね。レコーディング中は夢中で歌を録っていましたけど、改めて出来上がったものを冷静に聴くと、奥の深い、いい歌詞だなと思いました。

ーー歌詞では〈千年経っても変わらないこと 明日へ続く道は一つじゃない〉というフレーズが印象に残りました。大きな視点の楽曲だと感じましたが、いかがですか。

高見沢:僕は、歌詞の解釈は聴き手に委ねたいと思っています。押し付けがましいのは、本意ではないので、聴いた方がどう思うかが大切だと思っています。ある意味、僕らもグランマのような立ち位置ですからね(笑)。50年間活動してきたバンドが歌っている、発している言葉をそのまま受け取っていただければと思います。

ーー活動暦のお話がありましたが、年代によって思いの伝え方にも変化はありますか。

坂崎:やっぱり長くやっていると変わってゆくよな?

高見沢:そうだね、50年という歴史が説得力を持たせるのかもしれない。新曲は、ドラマに寄り添ってはいますが、今の自分の思いが歌詞の中に反映しているのは間違いないですね。それと、常にライブを想定して曲を作っていますから、この曲もすごくステージ映えする曲になったと思いますよ。

坂崎:「鋼の騎士Q」も「Never Say Die」も、今回のツアーのセットリストの中に違和感なく溶け込んでいますね。送り手の僕らからすると、「この曲って新曲なんだよな?」ってくらい馴染んでいます。曲が終わった後の、お客さんからの拍手も凄い。

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