THE ALFEE、待望の有観客“夏イベ”で示したバンドの矜持 ライブで披露される中で進化する楽曲

THE ALFEE、2年ぶりの有観客“夏イベ”レポ

 THE ALFEEといえば、夏のイベント。彼らを象徴するもののひとつだ。「Alfee(当時の表記)って室内音楽だよね」と言われたことへのアンチテーゼとして、1982年8月に所沢航空記念公園にて初の野外ライブを企画、開催。その後、サウンドはロック色を強め、ライブバンドとしての地位を固めていくのだが、THE ALFEEの“夏イベ”が“創造”した偉業はたくさんある。例えば1985年の『YOKOHAMA STADIUM 3DAYS』では連日のライブを“DAYS”と表記、これはTHE ALFEEが最初だと言われている。また、1986年に10万人を動員したライブの会場となった東京湾岸13号埋立地がタイトルの『TOKYO BAY‐AREA』にちなんで「東京ベイエリア」と呼ばれるようになったこと。残念ながら2020年、2021年の夏イベは無観客での公演に。それもあり、ファンはもちろん、メンバーの高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井賢も事前から「楽しみでしかない」と語っていた、『THE ALFEE 2022 Summer Genesis of New World 夏の天地創造』が7月30日、31日にぴあアリーナMM(横浜)にて開催された。本稿では2日目にあたる31日の公演をレポートする。

 客席が暗くなり、アリーナ中央に設置されたセンターステージに濃いスモークの中からTHE ALFEEの3人が登場、割れるような大拍手が湧き上がった。3人は花道をゆっくりと進みながら、メインステージに移動。オープニングナンバーとなる「天地創造」のイントロが始まる。ステージ両脇に設置されたモニターには、グッズのマラカスライト「ミカエルの剣」の点灯の指令が出る。客席全体を埋め尽くした青く美しい光が、幻想的なナンバーを盛り上げる。続く2曲目は彼らの名を世に知らしめた1983年のヒット曲「メリーアン」。モニターには坂崎のアコースティックギターの印象的なソロパートに続き、『ベルサイユのばら』のオスカルを思わせる青いジャケットに身を包んだ高見沢が、マントをなびかせながら弾くエレキギターのソロパートが映し出され、客席のテンションも上がる。

高見沢俊彦
高見沢俊彦

 次はアルバム『三位一体』からの「Orionからの招待状」で彼らの武器である3声のコーラスの美しさを見せつける。ここで坂崎による短いMCを挟み、続くはマントを取って再登場した高見沢のギターから始まる「悲しき墓標」。赤やピンクの照明が情熱的なナンバーをサポートする。間髪入れず、こちらも高見沢のギターから始まる「二人のSEASON」。軽やかなステップを踏む高見沢が花道に躍り出ながら熱唱していた。後半のリフは3人がセンターステージに集まり、それぞれの楽器を振りながらそろいのポーズを決める。爆発音の後に印象的なキーボードが鳴り響き、1983年のツアー『OVER DRIVE』を盛り上げるために作ったという、夏イベ定番ナンバー「夢よ急げ」が披露され、客席はヒートアップ。

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