Homecomings、仲間との10年の歩みでたどり着いた素晴らしい場所 自信と喜びが伝わった恵比寿LIQUIDROOMライブ

Homecomings、LIQUIDROOMレポ

 そして、後半はバンドのキャリアを振り返るように、新旧織り交ぜた曲を演奏。久しぶりに演奏するという「BUTTERSAND」。映画『愛がなんだ』主題歌「Cakes」と続けて、新作に収録された「Drowse」では、畳野はギターを置いてボーカルに専念。この曲は打ち込みを中心にしていて、バンドにとってはチャレンジングな曲。畳野のボーカルを際立たせたアレンジになっている。畳野は体を揺らしながら、バンドが奏でるサウンドに身を任せて曲を歌い上げ、シンガーとしての表現力に磨きをかけていることが伝わってきた。ここから「Blue Hour」「PAPER TOWN」と代表曲を続けて演奏。彼らのホームグラウンド、京都のことを歌った「PAPER TOWN」から新作に収録された「US / アス」へと続く流れが、彼らの「旅」を感じさせて感動的だ。ミラーボールが輝くなか、力強い演奏と歌を聴かせるバンドに観客からひときわ高い歓声があがった。コンサートのクライマックスにふさわしい盛り上がりを見せた後には、「Elephant」を軽やかに演奏。コンサートが1本の映画なら、この曲はエンドロール。そんなしみじみとした気持ちにさせてくれた。

 ライブの終わり間近に「ライブが終わってしまうのが寂しいです」と語っていた畳野。バンドが名残惜しそうにステージを去っても観客の拍手は鳴り止まず、バンドは2回のアンコールに応えた。今回のライブで印象的だったのは、4人の楽しそうな表情だ。メンバー間でアイコンタクトをとる時もお互いに笑顔を浮かべていて、4人の充実感が演奏に反映されていた。仲間と一緒に10年かけて、この素晴らしい場所に辿り着いた。そんなHomecomingsの自信と喜びが伝わってくるライブだった。

Homecomings ライブ(写真=廣田達也)

■セットリスト
1.ラプス
2.ヘルツ
3.i care
4.PAINFUL
5.HURTS
6.I CAN'T TELL YOU WHAT I'M GOING TO DO
7.光の庭と魚の夢
8.euphoria / ユーフォリア
9.Here
10.Shadow Boxer
11.BUTTERSAND
12.Cakes
13.Drowse
14.Blue Hour
15.PAPER TOWN
16.US / アス
17.Elephant

En1.アルペジオ
En2.Songbirds

En3.I WANT YOU BACK

Homecomings 福富優樹&畳野彩加に聞く、新たな名曲「光の庭と魚の夢」の誕生 1年に渡り“花束”の言葉とともに届けた思い

2021年に『Moving Days』でメジャーデビューした京都出身の4人組バンド、Homecomings。時期を同じくしてメン…

Homecomings、奥行きあるバンドサウンドで1年を締めくくる 東名阪クアトロツアー『US / アス』ファイナル公演レポ

毎年クリスマスシーズンにライブを行っているHomecomingsが、2022年も東名阪クアトロツアー『US / アス』ファイナル…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる