REIRIE、悪魔のキッス……ミスiD出身アーティストの活動に盛り上がり 自己プロデュース力で他にはない個性的な楽曲群

悪魔のキッス「方舟」M/V

 過去に共に活動しており、再度集結した例は他にもある。2018年のサバイバル賞を受賞した戦慄かなのと、2017年に大森靖子賞を受賞したかてぃによるユニット・悪魔のキッスもそうだ。2人はかつてZOCで共に活動していたが2人ともグループを脱退している。2人はそれぞれのユニットやソロで活動していたものの、2022年4月1日に2人で悪魔のキッスを突然結成した。当初は期間限定ユニットで結成日が4月1日だったこともありエイプリルフールのネタだと思われていたが、2023年になり無期限ユニットとして復活し、活動の継続発表。2人はキャラクターも音楽活動の方向性も違う。

femme fatale「鼓動」Music Video
Haze / 煙霧 / Official Music Video

 戦慄は実の妹である頓知気さきなとのユニット・femme fataleを中心に音楽活動を行っており、キュートなアイドルソングやダンスミュージックが特徴的だ。対してかてぃはHazeというロックバンドを結成。音楽性は彼女のハスキーでクールな歌声とベストマッチな、荒々しくもまっすぐなロックサウンドだ。何もかもが真逆な2人だが、そんな2人が一緒に活動することで化学反応が起き、個性的で面白い音楽になっている。グループ名と同タイトルの楽曲「悪魔のキッス」はサウンド自体はクールなダンスナンバーだが、戦慄のキュートな歌声によってポップに彩られ、かてぃのクールな声質とのギャップによる魅力が生まれている。かと思えば疾走感ある「方舟」では、2人の歌声が美しく組み合わさり、それが心地良くも胸を打つハーモニーになっている。真逆な2人だとしても目指す方向が一致しているからこその、一体感や魅力が感じられるのだ。

 音楽活動だけでなく、インフルエンサーや起業家として成功している2016年準グランプリの菅本裕子や、文章やイラストが高く評価され先日論考集「親切人間論」(講談社)を出版した2015年グランプリの水野しずなど、自身の得意分野で活躍している『ミスiD』受賞者も数多い。これからも様々な個性を発揮して新しいエンタメやカルチャーを作る人が続々と出てくるかもしれない。そんなことを過去の『ミスiD』参加者や受賞者の活躍を見て思う。

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