REIRIE、悪魔のキッス……ミスiD出身アーティストの活動に盛り上がり 自己プロデュース力で他にはない個性的な楽曲群
『ミスiD』出身タレントの活動が盛んだ。
『ミスiD』とは、講談社が主催するオーディションプロジェクト。2012年から毎年行われており、多くのタレントが発掘された、話題性が高いプロジェクトだ。『ミスiD』は、通常のオーディションとは、少し違うコンセプトがある。それは「ルックスやジャンルに捉われず、新しい時代をサバイブしていく多様な女の子のロールモデルを発掘するオーディションであり、生きづらい女の子たちの新しい居場所になること」を目標とすることだ。つまり、華やかさだけではなく、その人の多様な個性を認める次世代のオーディションであり、そのためか参加や受賞をきっかけに、自己プロデュースして個性を色濃く反映させた活動をする受賞者が多いように感じる。残念ながら2022年は初めて開催がされなかったが、その分2022年と2023年は過去の受賞者の活躍が目立っている。
例えば2015年グランプリの金子理江と、準グランプリに相当するミスiD2015賞を受賞した黒宮れいによるユニット・REIRIE。この二人はかつてLADYBABYというユニットで活動していたが、惜しまれつつも2017年に黒宮の脱退により2人による活動は終了していた。それが5年ぶりに共に活動をすることになったのだ。現在5曲が配信リリースされているが、REIRIEの音楽は疾走感があるロックを軸としたサウンドで、そこに2人の可愛らしさが加えられたものが中心となっている。例えばクールなロックナンバーの「Rabbits」の最初のイントロでかわいらしく2人がカウントを取る声や「PUI」の〈PUIっとちゅー ぷいぷいとちゅー〉という歌詞は、この2人だからこそ表現できるものだろう。こういった楽曲が持つキュートな雰囲気は2人が共に活動していた時代のLADYBABYの音楽性に近い。例えばLADYBABYの「Pinky! Pinky!」のような、重低音響くラウドロックサウンドに、キュートな歌詞や2人の歌唱のギャップは2人だからこその表現だろう。2人は離れた後も各自の活動を続けて、個性と実力を磨いてきた。そのためかREIRIEの楽曲を聴くと、2人の歌唱力や表現力が向上しているようにも感じる。REIRIEはLADYBABYの延長線上にある活動かつ、それをさらに進化させた音楽なのだ。