King Gnuの初開催も間近 藤井風、Mr.Children……各アーティストがスタジアムライブで残してきたインパクト

 また2022年6月にはMr.Childrenがデビュー30周年ツアー『Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス』のクライマックスに日産スタジアムとヤンマースタジアム長居にてライブを行った。彼らは日産スタジアムについては2004年から通算12回目(6ツアー目)のライブであるなど、この規模感の公演をアルバムツアーの一環として開催できてしまうバンドなわけだが、デビュー30周年という節目だけあり、特別なライブに仕上がっていた。

Mr.Children「Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス」LIVE DVD / Blu-ray Trailer

 オープニングからこれまでの作品ジャケット、MVやライブの映像を散りばめたムービーが流れ、30年の集大成のような演出がなされていた。しかし、タイトル通りこのライブは50周年に向けての入り口に過ぎないという意志も宿っており、セットリストでも近年の作品が息づき、アンコールのラストは当時の最新曲「生きろ」であった。彼らにとってもライブという表現が失われたコロナ禍を越えた、念願の公演であったことを言葉や選曲で伝え続ける公演だった。

 2019年に念願の会場だった横浜スタジアムでライブを行ったSuchmosのようにメンバーのみでストイックにパフォーマンスに徹することもあれば、2013年の横浜スタジアムでのASIAN KUNG-FU GENERATIONデビュー10周年ライブのようにファン投票や所縁あるゲストミュージシャンを招いてアニバーサリーを祝するような公演もある。スタジアム公演をどう捉えるのかはアーティストごとに異なるものだ。

Suchmos "808" THE LIVE YOKOHAMA STADIUM 2019.09.08

 そしてKing Gnuである。2022年10月に行った始動5周年の東京ドーム公演では巨大な廃墟をステージ上に立て、炎柱や大量のスモークなどスケールの大きな演出は果たしている。今回の『King Gnu Stadium Live Tour 2023 CLOSING CEREMONY』は、コロナ禍で中止となったアルバム『CEREMONY』ツアーの不完全燃焼を払拭すべく名づけられたツアー名とのこと(※2023年2月15日放送の『J-WAVE SPARK』にて勢喜遊が発言)。選曲含め2020年のアルバム『CEREMONY』を終幕するライブになる可能性は高いが、どんな演出が飛び出すのかは予想できない。しかし間違いなく、特別な夜になるだろう。

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