#KTちゃんが目指すオリジナルのヒップホップ 『高校生RAP選手権』などMCバトル経験を生かした楽しませるラップスタイル

#KTちゃんオリジナルのヒップホップ

 3月12日に開催された『戦極MCBATTLE 第29章 両国国技館』。この大会で#KTちゃんは、漢 a.k.a GAMIとの対戦後、「今月で高校を卒業なので、今日ここで制服を脱ぎます」とステージ上でスクールシャツを脱ぎ、新たなスタートを切った。その前の3月1日にリリースした「ぴーおーぴー feat. DJペコちゃん」でソロデビューも果たした彼女は、今、どのような気持ちで音楽活動に向き合っているのか。MCバトルに対する思い、バトルスタイルの変化、ラッパーとしての方向性、ソロデビュー曲の舞台裏、日頃のリリックの書き方など、制服を脱いで次のステージに立つ#KTちゃんに多角的に話を聞いた。(猪又孝)

自分の中のバリエーションをより引き出せるようになった

――まずは両国国技館で制服を脱いだときの心境から教えてください。

#KTちゃん:高校三年生のときに『高校生RAP選手権』に出たところから両国国技館までの8カ月間はずっと制服でMCバトルに出ていたので、制服のイメージを脱ぎ捨てて、この先も私は#KTちゃんとして活動していくことを伝えたかったんです。相手を直接ディスらないとかファンタジーなワードを使って明るく楽しいポップなラップをするとか、そういうスタンスをずっとこれからも続けて、みんなにエンタテインメントとして楽しんでもらいたいっていう意思表明をあの大舞台でやりたいなと思って制服を脱ぎました。

――高校を卒業して気持ちにどんな変化がありますか?

#KTちゃん:高校生のときはいつも朝6時に起きてたんですけど、春休みを経て、もうゆるゆるですね。朝6時もまだ寝ていられる。時間に余裕ができました。

――4月から大学に進学しました。新生活は楽しいですか?

#KTちゃん:はい。一気に大人になった感じがしますし、制服とか、みんなで規律を守って同じことをやる生活から、大学に入ってすぐ、めっちゃいろんな子がいるって思ったんです。ファッションとか持ち物とかで個性や人柄がわかったりするから、自分らしさがより出せるような環境に飛び込めて楽しいなと思っています。

――ソロデビューについてはどう受け止めていますか?

#KTちゃん:単純にめっちゃワクワクしています。1人でやるという不安みたいなのは全然なくて。今まではルイとKTという二人組で、ルイちゃんと二人で歌詞を書いていたので。複数人で表現してると、キャラクター同士のコントラストとか化学反応みたいなのがあるじゃないですか。ソロになったら、その化学反応を1曲の中で自分ひとりで起こすっていうことだから。自分の中のバリエーションみたいなものがより引き出せるようになったということで、新しい自分探しの旅じゃないけど、よりワクワクしましたね。

――ソロデビュー曲「ぴーおーぴー feat. DJペコちゃん」は、どのような楽曲にしたかった?

#KTちゃん:原宿で真っ昼間にノリノリでお買い物しながら、自分の好きなモノを身にまとって、イチゴ飴とかわたあめとかタピオカとか食べ歩きしてルンルンしてるような、そういうハッピーな感じ。あと、ヒップホップの重低音を効かせた感じ。ヒップホップのカッコイイ部分とポップな感じを混ぜ合わせたものをつくりたかったんです。

――それを作曲のRed-Tさんに伝えて共有した?

#KTちゃん:そうです。今話した大枠のコンセプトをみんなで相談して決めてから、私は私で歌詞を書いて、Red-TさんはRed-Tさんでトラックを作って、それを合体させて微調整していきました。

――リリックはどのように書き進めましたか?

#KTちゃん:ストーリーを作る感じで書きました。Aメロのところはハッピーでワクワク。Bメロでちょっとおすまし、おめかし。で、サビで弾けまくる! みたいな。

――さっき話した原宿を歩いている姿を思い浮かべて書いた?

#KTちゃん:そうです。そのシーンを描写していく感じ。主人公の私が竹下通りをモデルさんばり にテンションMAXで歩いてる感じ(笑)。あとは原宿ってお菓子がたくさん売られてるじゃないですか。だから、お菓子がちらばってるとか、甘いキャンディーに囲まれているような感じもイメージしていました。

――Red-Tさんから返ってきたトラックを聴いた第一印象は?

#KTちゃん:聴いた瞬間に「好きー!」と思って。私の理想をさらに越えてくる感じでした。後半に出てくる早口ラップのところは、最初はなかったんですけど、一回、声を入れてみるというプリプロ段階のときに、ここで早口になったら面白いよね? って。じゃあ、こういうのはどうですか? ってRed-Tさんと話し合って決めました。

――“超”がつくほどの早口ラップですが、パーツ毎に細かく録ったんですか?

#KTちゃん:いや、流れでバシッと録りました。もともとおしゃべりなタイプというか、話し始めたらベラベラ喋っちゃうので、早口ラップもバイブスが乗れば乗るほど、ベラベラって言えちゃうから結構イケるんです(笑)。

――その早口ラップのところに〈たまにはカッコつけたい/カッコよくなりたい〉というフレーズが出てきます。

#KTちゃん:私って結構ハッピーなイメージ、ポップなイメージだと思うんです。いつもスマイルな感じというか。私は「Aye! Yo! Yo!」とかやらないじゃないですか。でも、たまにはそういうのもやってみたいよねっていう。ポップな部分だけじゃなくて、クールな感じとか、かっこつけてポーズするとか、そういうのもやってみたいんです。

――今後の方向をちょっとほのめかしてるんですね。

#KTちゃん:制服を卒業して、いろんな洋服とか髪型ができるようになったこともあるので、ファッションもそうだし、ラップもポップな感じを軸にしつつ、スパイシーな感じもちょっとずつ入れていきたいと思ってるんです。

――今後もディスらない? 

#KTちゃん:ディスらないです。カッコつけたいといっても、おらつく系じゃないです。攻撃的な感じというよりは、ラップスタイルは今のままで、ファッションやサウンドにクールさを入れて、いろんな味のする#KTちゃんになりたいと思ってます。

【MV】#KTちゃん - ぴーおーぴー feat. DJペコちゃん

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる