ボビー・コールドウェル、ブルー・アイド・ソウルとしての多大な功績 ボブ・マーリーとの意外な接点&ヒップホップへの影響も
“ブルー・アイド・ソウル”として知られているボビー・コールドウェルだが、彼がヒップホップに与えた功績も大きい。ネオソウルムーブメントのパイオニアでもあるJ・ディラがプロデュースしたCommon「The Light」では、ボビー・コールドウェル「Open Your Eyes」をサンプリングしている。
Commonも「The Light」をJ・ディラと制作するまでボビーが白人だと知らなかったようで、「この人は本当にソウルフルだ。ソウルに“色”は関係ないと知った」と明かしている。一方、「The Light」でサンプリングされたボビーは、「楽曲に2回目の人生を与えてくれて感謝している」と、感激していたようだ(※7)。
2Pacが亡くなった後にリリースされた「Do for Love」では、ボビー・コールドウェルの「What You Won't Do For Love」がサンプリングされている。こちらの楽曲は「Sucka For Love」をリミックスしたもので、「Brenda's Got a Baby」のB面としてリリースされた。2Pacは「Heaven ain't Hard 2 Find」でも「What You Won't Do For Love」をサンプリングしている。
また、The Notorious B.I.G.「Sky's The Limit」ではボビー・コールドウェル「My Flame」をサンプリングしており、アメリカレコード協会によってゴールド認定されている。
近年ではリル・ナズ・X、ケンドリック・ラマー、Knxwledgeなどのアーティストにサンプリングされており、多くのヒップホップアーティストに影響を与えているボビー・コールドウェル。日本でも“ミスターAOR”として人気を博し、彼の音楽はソウル/R&Bのジャンルを超えて世界中に影響を及ぼした。
※1:https://twitter.com/bobbycaldwell/status/1636010808776749059?s=20
※2(筆者訳):https://www.npr.org/2005/05/19/4657970/bobby-caldwell-perfect-island-nights
※3、4、5、6(筆者訳):https://daily.redbullmusicacademy.com/2015/04/bobby-caldwell-feature
※7:『Complex』Magnum Opus, Common “The Light”
ジェフ・ベック、訃報を受けてバイラルチャート席巻 唄うギターでジャンル越境した、高度なオリジナリティと探究心
Spotifyの「Daily Viral Songs (Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spo…
高橋幸宏、気高く飄々と極めたポップカルチャーの“粋” 最後の趣味人たる音楽家だった理由
高橋幸宏の死去のニュースから1カ月近くが経過した(ここでは敬称略とさせていただく)。まだ実感がわかないという人も、じわじわと喪失…