さゆべえ×阿部愛沙美、『ブラザー・トラップ』最終回目前に公開対談 「マイラブ」で届ける、大切な言葉や恩返しの想い
毎週火曜24時58分から放送中のドラマ『ブラザー・トラップ』(TBS系)。本日3月21日放送の最終回を目前に控えた3月17日、NAKED LOFT YOKOHAMAにて、エンディングテーマ「マイラブ」を歌うさゆべえのLINE MUSIC再生キャンペーン・スペシャルイベントが開催された。
期間中に「マイラブ」を2000回以上再生したリスナーの中から当選した、約50人のファンが駆けつけた今回のイベントでは、ミニライブやゲームコーナーの前にトークセッションの時間が設けられ、さゆべえと『ブラザー・トラップ』のプロデューサーを務めた阿部愛沙美による公開インタビューが行われた。さゆべえのエンディングテーマ歌唱が実現したきっかけや、レコーディングにかける想い、ファンへのメッセージなどを、ときに阿部プロデューサーの熱い想いも交えながら語り合ってもらった。(市岡光子)
阿部Pのアツいオファーで実現したエンディングテーマ
——今回、さゆべえさんが『ブラザー・トラップ』のエンディングテーマ「マイラブ」を歌うことになったのは、プロデューサー・阿部さんからの熱烈なオファーがきっかけだったと伺いました。阿部さんはなぜ、さゆべえさんにオファーを出したのでしょうか?
阿部愛沙美(以下、阿部):ドラマの世界観としては、高い声が綺麗に出る女性ボーカリストにエンディングテーマをお願いしたいとイメージしていたんですけど、正直に言うと、さゆべえさんのファンだったからという答えが一番本心に近いです(笑)。
さゆべえ:嬉しい!
阿部:私、さゆべえさんの歌が大好きで。さゆべえさんの歌声をもっと聴きたいと思ったとき、「私が今、自分の力を使ってできることはエンディングテーマのオファーだ!」と気がついて(笑)。それで声をかけさせていただきました。
——さゆべえさんはオファーを受けたとき、どう感じましたか?
さゆべえ:私は自分でマネジメント会社をやっているので、メールも自分でチェックするんですけど、いただいたオファーを見て、「私にこんな大きな仕事が来るの?」ってすごくびっくりしましたし、ちょっと怪しんでました(笑)。でも、スタッフさんとお話しする中で阿部さんの熱意も教えていただいて、素直に「嬉しいな」「頑張りたいな」と思って。今までにないチャンスなので、引き受けさせていただきました。
——阿部さんは、さゆべえさんの歌の魅力はどんなところにあると思いますか?
阿部:パフォーマンスとして上手に歌う人はたくさんいらっしゃると思うんですけど、さゆべえさんはそれだけじゃなくて、歌詞の意味を理解して表情で魅せたり、声や息遣いなどを全部含めて、その歌の世界観を表現できるところが本当に魅力的だなと思います。それこそ、以前リリースされた「ダイヤモンド」もそうだし、それ以前の活動で歌われていた曲も歌い方がすごく素敵で、もっと聴きたいと思うし、動画とかを観ていて「この部分が好き」「この歌い方が好き」とか思えて楽しいんですよね。
——さゆべえさん、今めちゃめちゃ照れてましたね。
さゆべえ:照れました(笑)。どう反応していいかわからなくて、ニヤニヤしちゃいました。
阿部:たしかに、さゆべえさんの歌の好きなところを直接お伝えしたの、初めてかもしれないですね!
さゆべえ:嬉しいです! ありがとうございます。
——実際、「マイラブ」でも、さゆべえさんの歌唱力がさまざまなところに活かされていますよね。Aメロ、Bメロ、サビ、それぞれで歌い方が違いますし、歌詞の表現の仕方も一つひとつが異なっているように感じます。レコーディングにあたって、どのような準備をされたのでしょうか?
さゆべえ:今回は「ダイヤモンド」をリリースしてから結構時間も空いて、レコーディングも久々でした。初めてお会いする方と一緒にお仕事をさせていただくということもあって、最初は不安も多かったので、いつもよりたくさん練習しました。あとは歌詞カードにブレスの位置を細かく書き込んだりとか。トントン拍子でレコーディングが進んだほうが印象もいいかなと思って(笑)。
——切なさなど、感情表現も素晴らしいですよね。歌に感情を込めるために、意識したことはありますか?
さゆべえ:曲の展開をしっかりと見せられるように頑張りたいなと思っていましたね。「マイラブ」って冬をイメージした曲に聴こえるんですけど、実は曲中で女の子の気持ちに合わせて、冬から春にイメージが変わっていくんですよ。まさに今がシーズンの曲なんです。なので、そういう変化の表現にも頑張って挑戦しました。
「さゆべえさんが持っているものを引き出せる曲にしたかった」(阿部)
——阿部さんとしては、ドラマをプロデュースするにあたって、楽曲の具体的なイメージは描いていたのでしょうか?
阿部:西野カナさんの「SAKURA, I love you?」とか、LDH JAPANに所属していたFlowerさんの楽曲のような、切ない系の歌詞やメロディをエンディングテーマにしたいとイメージしていましたね。作曲家さんたちに「こういうのをイメージしてます!」と書いたものを送って、楽曲を作ってもらいました。
——そのイメージをもとに、さゆべえさんに何か歌い方についてオーダーしたことは?
阿部:直接お会いできたのは曲ができてからだったので、私からさゆべえさんにあれこれお願いすることはなかったんですけど、仮歌段階で1つだけ相談をさせていただいた記憶があります。というのも、上がってきた仮歌を聴いたときに、終盤のサビ前の〈私だから〉の音程が今よりも低いものだったんです。
さゆべえ:そうでしたね。もともと、音がちょっと低くて。
阿部:でも、やっぱりファンとしては「高い声で歌ってほしい!」と思って。それがどれだけ大変なことかも知らずに、〈私だから〉を高音で歌ってほしいとリクエストしました。ただ、さゆべえさんとやり取りしているスタッフさんから「さゆべえさんご本人とも話しますが、もしかしたら音が出せないかもしれないです」とは言われていて。最終的にはお任せすると伝えていたんですけど、完成した楽曲を聴いたら、めちゃめちゃ綺麗に高音が出ていたんですね。もう「最高!!」と思いました。
さゆべえ:ありがとうございます(笑)。
阿部:せっかくの機会なので、もっといろいろな方にさゆべえさんを知っていただくためにも、さゆべえさんが今持っているものを引き出せる曲にしたかったんですよ。その気持ちが「高音にしてくれ」という、無理を通すようなお願いになってしまったという。
さゆべえ:でも、ファンの皆さんも〈私だから〉の部分を気に入ってくださっている方が多いので、阿部さんは正しかったと思います!
——「高音を出して」と言われたとき、さゆべえさんとしてはどう感じました?
さゆべえ:しばらく歌でここまでの高音を出していなかったので、大丈夫かなと思いました。でも、レコーディングでディレクターさんも私がリラックスして歌えるようにしてくださったり、私自身も練習を重ねたりして、無事に今のような楽曲をお届けすることができて良かったです。
——レコーディングはどのように進んでいったのでしょうか。
さゆべえ:アイドル時代は1曲あたり1時間~1時間半で録っていたんですけど、今回初めて5時間くらいかけてじっくりレコーディングしました。いろんな歌い方を試したり、表情を変えて歌ったり、その違いを聴きながら「こっちのほうがいいかも」って思ったりして、試行錯誤しながら進められたのですごく楽しかったです。
——表情を変えるだけでも、歌に違いが出るんですね。
さゆべえ:そうですね。悲しい顔をして歌うと、どうしても声が悲しくなったりするので。さっきも言ったように、楽曲の後半は春のような雰囲気になるので、ニコニコしながら明るい声で歌うことも挑戦しました。あと私、高い声を出すときに結構困り顔みたいな渋い顔をしちゃう癖があるので、そこだけはちょっと気をつけようと思って、笑いながらやってみたりして。その結果、今の「マイラブ」ができ上がりました。
——逆に、レコーディングで苦労したことはありますか?
さゆべえ:私の性格なのかわからないんですけど、ベストテイクが1回で出なくて。ディレクターさんにも言われたんですけど、6回目ぐらいでやっと一番いいテイクが出るので、どのパートも全部6テイクぐらい録りました。高い音もあるから、たくさん歌っている分、喉の調子も心配だったんですけど、なんとか無事にいい楽曲になって良かったなと思います。楽曲もドラマにぴったりで、たくさんの方にちゃんと届いてほしいと思っていたので、言葉を届けることも意識して歌いました。