Poppin'Party×RAISE A SUILEN、初のツーマン公演で作り上げた熱狂 有明アリーナに刻んだ『バンドリ!』の新しい歴史

 『バンドリ!』で活躍するリアルバンドたちが一堂に会する合同ライブ『BanG Dream! 11th☆LIVE』が2月4、5日に有明アリーナにて開催。その初日公演『Poppin'Party×RAISE A SUILEN「GALAXY to GALAXY」』にPoppin'Party、RAISE A SUILENが出演した。これまでイベントで顔を揃えることは何度もあったが、ツーマン形式のライブで2組が共演するのはこれが初めて。『バンドリ!』の歴史を一から築き上げてきたポピパと、バックバンドからスタートし、百戦錬磨のライブ活動を積み重ねてきたRASがステージ上でどんな化学反応を起こすのか、今回の公演は早くから注目を集めていた。

 この日は開演20分前に、オープニングアクトとしてMyGO!!!!!がステージに登場。本公演から『バンドリ!』関連のライブでも観客の“声出し”が解禁されたこともあり、「迷星叫」からライブがスタートすると盛大な歓声とクラップでMyGO!!!!!のパフォーマンスに華を添える。青いペンライトで染め上げられた会場を前に、ボーカルの燈(Tomori)は力強い歌声を届け続ける。MyGO!!!!!にとっても結成以来初めての“声出し”公演は、バンドリーマー(=『バンドリ!』ファン)の熱のこもった声援と拍手が加わることでよりエモーショナルなものになったのではないだろうか。

バンドリMyGO!!!!!ライブ写真
MyGO!!!!!

 その後、オープニング映像に続いていよいよライブ本編に突入。これまでの合同形式のライブでは、2バンドがライブの前半、後半にそれぞれステージに立ち、アンコールで2組によるセッションが展開されてきたが、この日は新たな試みが用意されていた。

 まず、トップバッターとしてRASがステージに姿を現すと、ライブ初披露となる「DEAD HEAT BEAT」から自身の出番をスタートさせる。ステージ後方には2台のドラムセットとDJブース、ポピパ用のキーボードなどが設置されており、ステージ転換がほぼ必要ないセッティングであることが窺える。そんな中で、レイヤ役のRaychell(Ba./Vo.)がバンドリーマーたちを煽ると、ここ数年には耳にすることができなかった熱狂的な声援が湧き起こる。RASの面々はこの思いがけない光景を前に、自然と笑みを浮かべながら激しいサウンドとパワフルなボーカルを響かせていった。

 この日最初のハイライトにして、今回の合同ライブの新たな見せ場は3曲目「A DECLARATION OF ×××」で早くも訪れた。なんと、ポピパ・牛込りみ役の西本りみ(Ba.)がゲスト参加し、スペシャルセッションが始まったのだ。ポピパでもゴリゴリのベースサウンドを奏でる西本だが、RASの中に飛び込んだことでより激しくベースを鳴らし、ハンドマイクで歌うRaychellもいつも以上に伸びやかな歌声を聴かせる。この日ならではの化学反応を前に、会場の熱気はさらに加速していった。

 3曲を終えるとRASの面々は一度ステージから去り、気づくと2台のドラムセットにはポピパ・山吹沙綾役の大橋彩香(Dr.)とRAS・マスキング役の夏芽(Dr.)の姿が。2人で同じビートを刻みながら、要所要所でそれぞれソロを披露など、色の異なるドラマー2人の各々の個性が発揮されたセッションが続く。『バンドリ!』史上かつてない試みを前に、客席からは盛大な拍手と声援が送られた。

 そこから大橋が叩き出すビートに乗せて、ポピパの面々がステージに姿を現すと、戸山香澄役の愛美(Gt./Vo.)による「最初はこの曲で一緒に月まで飛んで行っちゃいましょう!」を合図に、「Moonlight Walk」にてポピパのライブへ突入。そう、今回の合同ライブは2バンドの攻守が何度も交代しつつ、かつそれぞれのバンドのステージに相手バンドのメンバーをフィーチャーするというコラボも展開するという、一瞬たりとも見逃せないライブが繰り広げられるのだった。

バンドリライブ写真
Poppin'Party

 ポピパにとってもこの日が久しぶりの“声出し”ライブとあって、熱量の高いバンドリーマーたちのコールやシンガロングを前にエモーショナルな歌と演奏を繰り出していく。中でも「Time Lapse」では、冒頭のハモリに対して客席から歓喜の声援が送られ、その流れから極上のシンガロングが湧き起こり、会場の一体感の強さを思う存分に体感することができた。

バンドリライブ写真

 「ぽっぴん'しゃっふる」「What's the POPIPA!?」でポピパの5人が寄り添いながらアットホームなサウンドを奏でると、続く「ぽっぴん'どりーむ!」ではRASからパレオ役の倉知玲鳳(Key.)、チュチュ役の紡木吏佐(DJ)がゲスト参加し、華を添える。会場中にポピパが放つポジティブな空気が充満したところで、再びRASのターンへ。「!NVADE SHOW!」「THE WAY OF LIFE」で再び激しさが増すと、今度は「灼熱 Bonfire!」に愛美と市ヶ谷有咲役の伊藤彩沙(Key.)がゲスト出演。息の合ったダンスで盛り上げつつ、一部パートでは歌唱も披露し、お祭り騒ぎに加勢した。

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