愛美×相羽あいな×『夢ノ結唱』担当者も再現度に驚き! CeVIO AI『POPY』『ROSE』がもたらす『バンドリ!』の新展開
次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream! 』(以下、『バンドリ!』)とCeVIO AIのコラボによる『夢ノ結唱』プロジェクトが始動。『バンドリ!』登場キャラクターより、愛美演じるPoppin'Party 戸山香澄と相羽あいな演じるRoselia 湊 友希那から生まれた音声合成ソフトCeVIO AI『夢ノ結唱 BanG Dream! AI Singing Synthesizer POPY』『夢ノ結唱 BanG Dream! AI Singing Synthesizer ROSE』ダウンロード版が12月21日にリリースされた。(パッケージは2023年2月28日発売)
CeVIO AIはこれまでVTuber キズナアイから生まれた『#kzn』やバーチャルシンガー花譜から生まれた『音楽同位体 可不』など、さまざまなアーティストとコラボした音声合成ソフトをリリース。様々な音楽クリエイターがCeVIO AI製品を使ったヒット曲を生み出している状況だが、アニメやキャストによるリアルライブなどのメディアミックスを展開してきた『バンドリ!』においても、新たな風を吹き込むプロジェクトとして『夢ノ結唱』は注目を集めている。
リアルサウンドでは、『POPY』と『ROSE』にそれぞれ声を提供した愛美と相羽あいな、
『夢ノ結唱』プロジェクトの責任者である ブシロードミュージック 根本雄貴氏にインタビュー。プロジェクト始動の背景をはじめ、『POPY』と『ROSE』の制作秘話、『バンドリ!』の今後においてどのような可能性を見出しているのかなど、『夢ノ結唱』シリーズの全貌を聞いた(編集部)。
『夢ノ結唱』から私たちが予期しない、新しいコンテンツが生まれる(根本)
ーーまずは根本さんにお聞きしたいんですが、この『夢ノ結唱』プロジェクトはどのような過程を経て生まれたんでしょうか?根本雄貴(以下、根本):今年の頭に『ホシノコドウ会議』という、『ガルパ』(スマホゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』)の開発・運営元のCraft Egg様と合同で実施した会議がありまして、2023年に予定されている『ガルパ』の超大型アップデートに向けて『バンドリ!』プロジェクトや『ガルパ』をより盛り上げるためにどういうことをしたらいいのかと、チームに分かれてプレゼンしたんです。その中で、『バンドリ!』プロジェクトとして今までとは違った展開として「音声合成ソフトのプロデュースを始めていかないか?」というアイデアが上がり、今回CeVIOプロジェクトと一緒に組ませていただくことになったんです。
ーー実際にCeVIO AIに触れてみて、どんな可能性を感じましたか?
根本:ソフト自体というよりも文化に触れてというところが近いと思うんですけど、今までの『バンドリ!』プロジェクトは運営側がキャストの皆さんと話しながらリアルバンドを展開したり、脚本家の方やアニメの制作会社であったり、Craft Egg様と相談しながらバンドリーマー(『バンドリ!』ファンの呼称)の方々にコンテンツを提供してきたという印象が強いと思うんですけど、今回は『夢ノ結唱』を手にしたユーザーから私たちが予期しない、新しいコンテンツが生まれるのかなと感じています。
ーーこの『夢ノ結唱』というタイトルは、どのように決まったんですか?
根本:『バンドリ!』は“夢を撃ち抜け”と謳っているので、まず『バンドリ!』にちなんだ名前にしたいなと。なので、英語だったら“Dream”、漢字だったら“夢”を使いたかった。その中で、機械学習や過去の経験を学習する、そういうことから“結晶”というワードにたどり着いて。それに加えて、“歌う”ことに関連した漢字を使いたくて、合唱の“唱”にも到達しました。今まで経験したものが濃縮されて、歌うAIであるということ『バンドリ!』のAIということから『夢ノ結唱』というタイトルが決まりました。
ーーなるほど。愛美さん、相羽さんはこのCeVIO AIを使った音楽、楽曲を本プロジェクト以前に聴いたことはありましたか?
愛美:可不(花譜のCeVIO AI)は聴いたことがありました。でも、CeVIO AIという名称を初めて知ったのが、今回の『夢ノ結唱』プロジェクトだったので、今まで聴いていたものがCeVIO AIだったとこのプロジェクトで認識しました。
相羽あいな(以下、相羽):私もこのプロジェクトまで知らなかったので、実際に触れてみてびっくりしました。感情の出し方や表情の豊かさが繊細で、すごく人間に近い印象がありましたから。
ーーいざ『夢ノ結唱』を制作するとなると、愛美さんと相羽さんの声が必要になるわけですよね。これはどのように制作に向けて進めていったんですか?
根本:最初にCeVIOプロジェクトと話をしたときに上がったのは、『バンドリ!』プロジェクトの歴史がそれなりに長いので収録してきた楽曲数が非常に多いということ。機械学習させるにはそれはかなりの利点で、ここから追加で収録する必要はあまりないんじゃないかという話だったんです。そこを踏まえて、普段楽曲の中であまり発音しない「びゃ・びゅ・びょ」「ぴゃ・ぴゅ・ぴょ」という濁音や半濁音を追加で録らせていただきました。
愛美:演者的には、ほかの皆さんがこのCeVIO AIを制作されるときの100分の1ぐらいの労力だったようです。新たに録り下ろしたのだと、楽曲の「きらきら星」に「びゃ」とか「ぴゃ」とかを当てはめて歌って、足りない音を収録していきました。
相羽:「かえるのうた(かえるの合唱)」とかね。
愛美:そうそう。
相羽:たぶんあいみんと一緒で、「かえるのうた」と「きらきら星」と「大きな古時計」を歌ったんですけど、クールな友希那の声で笑わずにカッコよく歌うというのが、ちょっとシュールすぎて(笑)。
愛美:ふふふ、確かに(笑)。
相羽:レコーディングブースにひとりで、いかにカッコよく歌うかを考えながら歌っていた気がします。もっとポップで、楽しい気持ちで歌いたいところを、友希那らしくクールでいかないといけないから。でも、さすがに「ダメです! 今ツボに入りました!」と一回ストップしましたね(笑)。あれは収録風景を撮っておいてほしかったなと思います。だって、私もあいみんのを観たかったですし。
愛美:私より先にあいあいが収録していたので、音声を聴かせていただいたんですけど、「あいあい、途中で笑ってるんじゃないかな?」って思うくらいのところもあって楽しかったです。きっとそんなことないとは思うんですけど(笑)。