なにわ男子 藤原丈一郎、27歳の誕生日を迎えて 冠ラジオ番組や野球実況への挑戦で磨かれるトークスキル

 藤原の“喋り”が堪能できるのはラジオだけではない。筆者が昨年で最も印象的だったのが単独企画「野球実況への道」で見せた奮闘ぶりだ。これは『まだアプデしてないの?』(テレビ朝日系)で行われた企画で、テレビ朝日のベテランアナウンサー・田畑祐一の指導を仰ぎ、3カ月の訓練を経て野球実況に挑んだ。

 まずはアナウンサーの基礎である発音、滑舌、アクセントの習得からスタート。最初はイントネーションに苦戦する藤原だったが、3週間に及ぶ自主練習の甲斐あって、田畑アナから「おお! 練習したね」と成長ぶりを褒められていた。特訓はさらに難易度を増し、目に入った情報を正確に伝える即時描写の演習では、言葉にするだけではなく、共感を得る言葉で伝えるべしと再び課題が積まれた。

 そうして迎えた6月の最終試験。実際の福岡ソフトバンクホークスvs千葉ロッテマリーンズ戦をベースに行われた。不規則なゲーム運びを前に、わずかな隙を選手の動きやデータ等を挟んで番組をつなぎ、ゲームが動くタイミングで話題を試合に戻さなければならない。わずか数秒に何を言うか、時間感覚に語彙力、観察力、リズム感……子どもの頃から実況を耳にしてきたはずの藤原でもすんなりとはいかない様子だった。

 藤原の真剣さは目つきに表れ、やる気も、思うように言葉が紡げないもどかしさも、悔しさも伝わってきた。そんな藤原の熱意が伝わったのだろう、田畑アナからは愛情を含んだ容赦ない厳しい指導が続いた。結果として藤原の本気が人や物事を突き動かし、想像以上の展開を生んだ。バラエティ番組の一企画ではあるが、藤原のあまりの真剣さやひたむきさに目頭を熱くした視聴者も多いのではないだろうか。

 藤原の情熱、一生懸命さ、感謝の心は観る者の心を揺さぶる。媚びや妥協は皆無、アイドルとしての仕事もあるなかで、マルチタスクではあるが一点集中という職人気質も持ち合わせる。

 明るい雰囲気と優しさを感じる声で包む単独ラジオには、藤原がこれまでに積み上げてきたものや人柄が感じられ、それがリスナーの安心感や番組の充実につながっているのだろう。

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